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転機を迎えた井上真央の挑戦「新しい世界が見えるかもしれない」

 20代最後の1年を過ごしている井上真央。これまでにNHK朝ドラ『おひさま』や大河ドラマ『花燃ゆ』の主演から『NHK紅白歌合戦』の司会まで、若くして重圧のかかる大仕事を乗り越え、エンタテインメントシーンの第一線で活躍してきた。そんな売れっ子女優がいま、転機のときを迎えている。新たなステージに踏み出そうとする井上の心情に迫った。声優を務めた『ルドルフとイッパイアッテナ』についても語る。

「これからはプライベートを充実させたい」と語る井上真央(写真:逢坂 聡)

「これからはプライベートを充実させたい」と語る井上真央(写真:逢坂 聡)

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◆イメージをつかむまでにすごく時間がかかった

――今回、声優を務めた『ルドルフとイッパイアッテナ』で演じられた猫のルドルフの声が、いつもの井上さんの声とまったく違って驚きました。猫の声を演じるというのはどんな感覚でしたか?
【井上真央】 猫の役ではありますが、スタッフの方々と相談して、人間の子どものような声で演じることになったんです。物語の最初は小学校低学年くらいのイメージですが、途中から徐々にルドルフが成長していくので、そこからは高学年くらいの少年の声を意識して演じました。でも、やっぱり慣れないことなのですごく難しくて。セリフの一言ひとことをスタッフの方々と一緒に確認して、「ちょっと大人っぽすぎる」「トーンが低すぎる」などを指摘していただきながら収録しました。

――井上さんは以前も『それいけ! アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』で声優を経験されていますが、声優の仕事を通して何か気づいたこと、得たことはありますか?
【井上真央】 役者の仕事では相手を見てお芝居しますが、声優は画を見て演じるので、イメージをつかむまでにすごく時間がかかりました。でも、この子は普段どんなことをしているんだろう、どんな性格なんだろうと、キャラクターのことを考えながら演じるのは役者の仕事と共通していると思います。声だけのお芝居ですが、役として気持ちを作って演じていると、シーンごとに出てくる声が自然に変わってくるので本当に不思議だなと思いましたし、とても勉強になりました。

◆これからはもう少しプライベートを充実させたい

――今作の劇中では、東京という見知らぬ世界へやってきたルドルフの冒険と成長が描かれます。井上さんは、ご自身のキャリアのなかで“冒険”だったなと思うことはありますか?
【井上真央】 『NHK紅白歌合戦』の司会ですね。自分には絶対無理だと思っていました。

――そうなんですか!? とても落ち着いた司会ぶりでしたが……。
【井上真央】 いえいえ、実は緊張しすぎて記憶がないくらいなんですけど、私は緊張が人に伝わりづらいみたいで……(笑)。でも、周りの方々に助けていただいて、なんとかやり遂げられたことで、少し自分に自信がつきました。今回の声優のお話もそうでしたけど、私は慣れないお仕事のオファーをいただくと、すぐ「自分にはできない」と思ってしまうので。でも、そういうときは『紅白』のことを思い出して、追い詰められたら今までにない力が出てくるかもしれない、新しい世界が見えるかもしれないという気持ちでチャレンジするようになりました。

――では、これから新しくチャレンジしてみたいことってありますか?
【井上真央】 お仕事ではいろいろなことにチャレンジしてきたので、これからはもう少しプライベートを充実させたいです。私はお仕事に入ってしまうとそれだけで頭がいっぱいになるので、その合間の時間をうまく使うことができていなかった気がするんです。大学に通っていたときは仕事と学業を両立することでバランスが取れていたのですが、卒業してからは自分の時間をどう充実させたらいいのかわからなくて……。ほかの女優さんを見ていると、趣味に没頭したり、旅行に行って自分を解放したりしている方が多いので、私もプライベートの楽しみ方を知っていけたらいいなと思っています。もともと自然が多いところで育ったので、フラッと出かけて自然に触れたり、おいしいものを食べたり、そういうフットワークの軽さを身につけたいです。

◆よくも悪くもこだわりがない。柔軟でありたい

――それだけお仕事に集中してきたんですね。確かに20代で朝ドラ、大河ドラマの主演という大役を務め、野田秀樹さん演出の舞台や声優など、次々に大きなチャレンジをしている印象です。
【井上真央】 つねに緊張感と責任感を持って取り組めていたので、本当に充実しています。私は来年30歳になるんですが、20代は本当に濃いお仕事をさせていただいたと思っています。ずっと周りの方々に助けてもらってきたので、これからは自分自身が作品やほかの役者さんを支えられるような存在にならなければいけないと思い始めています。

――どんな30代になりたいですか?
【井上真央】 私はよくも悪くもこだわりがないので、そこはずっと変わらずにいたいです。お芝居に関してもそうですが、あまり欲を出さず、こだわりすぎず、柔軟でありたいなって。それぞれの作品のなかで与えられた役に染まっていくのが役者の仕事だと思っているので、“自分は絶対にこう”というこだわりを持ちすぎてしまうのは、あまりよくない気がしています。作品の世界にスッと自然に溶け込むためには、つねに柔軟さを持ち続けることが大事だと思います。

――バラエティーなどを見た印象ですと、スタッフさんや共演者の方にイタズラしたり、イジったりするようなお茶目さが素敵だなあと思っているのですが。
【井上真央】 ありがとうございます(笑)! でも、そろそろ年齢的に気をつけないと、ただの意地悪だと思われてしまうかもしれないですよね。もう“テヘッ”なんて言っても「かわいい」と思ってもらえる年齢ではないので(笑)。ただ、やっぱり仕事の現場は楽しいほうがいいと思うので、周りの方たちが楽しい気持ちになれるような明るさはずっと持っていたいです。
(文:加藤 恵)

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