NHK大河ドラマ『真田丸』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)で、豊臣秀吉のおい・秀次役を好演している新納慎也(41)。16歳の時にスカウトされ、モデルとして活動をはじめてから25周年の節目に「まさか大河ドラマにちょんまげ姿で出演できるなんて」と初出演に感無量な様子だ。目鼻立ちがハッキリしている“舶来顔”ゆえ、大河ドラマはもちろん、時代劇には「鉄砲伝来のシーンでポルトガル人を演じるしか出番はないと思っていた」と笑い話にするほど、縁がないものだと思っていた。
25年の間には、1997年から2年間、NHK-BS2の子ども番組『にこにこぷんがやってきた』に“うたのおにいさん”としてレギュラー出演していたこともある。NHKでの仕事はうたのおにいさん以来、17年ぶり。
歌唱力とダンス力、モデル出身の容姿にも恵まれ、主にミュージカルの舞台で活躍するようになる。2000年、01年の東宝ミュージカル『エリザベート』では“トートダンサー”のオリジナルメンバー、02年4月のROCKミュージカル『GODSPELL』では主演のジーザス役に抜てきされ、09年の香取慎吾主演オフブロードウェイミュージカル『TALK LIKE SINGING』にも参加するなど、キャリアを重ねてきた。特異なキャラクターを“得意”とし、その個性的な存在感から「ミュージカル界の異端児」の異名を持つ。
そんな新納の役者人生の中で、『真田丸』の脚本を手掛ける三谷幸喜氏との出会いは大きなものだった。
「僕の役者人生において、ここぞというところで三谷さんがひょこっとやってきて、すごくすてきなオファーをしてくれるんです。今回の大河もそうですし、オフブロードウェイの舞台に立つ機会を与えてくれたのも三谷さん。さぁ、この道を進みなさい、と照らしてくれる。僕の人生を変えてくれる存在です」。
豊臣秀次については、摂政・関白を文字って「殺生関白」とあだ名された暴虐エピソードが伝わっているが、不遇の最期を迎えた人にはありがちなこと。三谷氏も「そんなのは全部うそだと思っているので描きません」と新納に伝えていたという。『真田丸』の秀次は、初登場した第15回(4月17日放送)、秀吉から「検地をすることで何がわかるか」と問われ、秀次が「いろんなことがわかります」と答えたシーンに象徴されるように、人懐っこくて明るくて、ちょっぴりできの悪いおぼっちゃんに描かれ、新納もそれをうまく表現していた。
「三谷さんからはただ、ただ、飄々と繊細に演じてください、と。僕自身も、物事をあまり深く考えるほうでなく飄々としているので、そこは秀次と似ていますね(笑)」。
飄々と生きてきたはずの秀次が、第26回(7月3日放送)以降、関白になってから歯車が狂いだしていく。そして、第27回(同10日放送)でまさかの出奔。第28回(同17日放送)で壮絶な最期を迎えることに。
このインタビューは秀次としての全撮影を終えた直後に行ったものだが、新納は「自分だけ卒業しちゃうのはさみしい」となごり惜しそうに話していた。それは、もっとやりたいという純粋な欲。
「最後の数シーンは順撮りで一気に撮影したんですが、マイクが僕の心音を拾ってしまったくらい心拍数が上がって、あとから音声さんに『絶対に、この人死ぬと思った」と言われたほど。僕も感情を制御できなくなるくらいの、奇跡のような芝居を本番で出せて、舞台とはまた違った役者としての快感を知り、映像作品の面白さ、楽しさ、素晴らしさを体感できたと思います。舞台も映像も垣根なく、演じる場が広がればいいなと思っています」。
25年の間には、1997年から2年間、NHK-BS2の子ども番組『にこにこぷんがやってきた』に“うたのおにいさん”としてレギュラー出演していたこともある。NHKでの仕事はうたのおにいさん以来、17年ぶり。
歌唱力とダンス力、モデル出身の容姿にも恵まれ、主にミュージカルの舞台で活躍するようになる。2000年、01年の東宝ミュージカル『エリザベート』では“トートダンサー”のオリジナルメンバー、02年4月のROCKミュージカル『GODSPELL』では主演のジーザス役に抜てきされ、09年の香取慎吾主演オフブロードウェイミュージカル『TALK LIKE SINGING』にも参加するなど、キャリアを重ねてきた。特異なキャラクターを“得意”とし、その個性的な存在感から「ミュージカル界の異端児」の異名を持つ。
そんな新納の役者人生の中で、『真田丸』の脚本を手掛ける三谷幸喜氏との出会いは大きなものだった。
「僕の役者人生において、ここぞというところで三谷さんがひょこっとやってきて、すごくすてきなオファーをしてくれるんです。今回の大河もそうですし、オフブロードウェイの舞台に立つ機会を与えてくれたのも三谷さん。さぁ、この道を進みなさい、と照らしてくれる。僕の人生を変えてくれる存在です」。
豊臣秀次については、摂政・関白を文字って「殺生関白」とあだ名された暴虐エピソードが伝わっているが、不遇の最期を迎えた人にはありがちなこと。三谷氏も「そんなのは全部うそだと思っているので描きません」と新納に伝えていたという。『真田丸』の秀次は、初登場した第15回(4月17日放送)、秀吉から「検地をすることで何がわかるか」と問われ、秀次が「いろんなことがわかります」と答えたシーンに象徴されるように、人懐っこくて明るくて、ちょっぴりできの悪いおぼっちゃんに描かれ、新納もそれをうまく表現していた。
「三谷さんからはただ、ただ、飄々と繊細に演じてください、と。僕自身も、物事をあまり深く考えるほうでなく飄々としているので、そこは秀次と似ていますね(笑)」。
飄々と生きてきたはずの秀次が、第26回(7月3日放送)以降、関白になってから歯車が狂いだしていく。そして、第27回(同10日放送)でまさかの出奔。第28回(同17日放送)で壮絶な最期を迎えることに。
このインタビューは秀次としての全撮影を終えた直後に行ったものだが、新納は「自分だけ卒業しちゃうのはさみしい」となごり惜しそうに話していた。それは、もっとやりたいという純粋な欲。
「最後の数シーンは順撮りで一気に撮影したんですが、マイクが僕の心音を拾ってしまったくらい心拍数が上がって、あとから音声さんに『絶対に、この人死ぬと思った」と言われたほど。僕も感情を制御できなくなるくらいの、奇跡のような芝居を本番で出せて、舞台とはまた違った役者としての快感を知り、映像作品の面白さ、楽しさ、素晴らしさを体感できたと思います。舞台も映像も垣根なく、演じる場が広がればいいなと思っています」。

2016/07/17