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【まれ】塩田の職人・桶作元治役の田中泯 コメディーで新境地

 NHKの連続テレビ小説『まれ』の放送が始まるや、視聴者から「塩田で潮撒きしているのは誰?」、「いままでこの方を知らずにいたことが残念だ」といった反響が数多く寄せられた製塩職人・桶作元治役で出演中の田中泯(70)。7月から民放の連続ドラマに初出演することが発表されたり、出演した映画『ソ満国境・15歳の夏』(8月1日公開)、『蜃気楼の舟』(12月公開)が相次いで話題になったり、にわかに注目を集めている。

 『まれ』では、第1週から「潮汲み3年、潮撒き10年」と言われる塩づくりの職人技を再現したリアリティーで、視聴者の目を釘付けにした。表情や動きで役の人となりを語り、独自の雰囲気は同ドラマを味わいのあるものにしている。それは、70歳とは思えない、鍛え抜かれた肉体のなせる業であり、その筋肉で引き締まった体こそ、彼の人生を写す鏡。ダンスやオペラの振り付けなどで半世紀にわたり活動してきた賜物だ。

 簡単にプロフィールを紹介すると――1945年、東京生まれ。クラシックバレエ、モダンダンスを学び、1974年より独自の舞踊を求めて活動を始める。78年に仏パリのルーブル美術館で独舞を披露する機会を得て海外デビュー。80年代には、旧共産圏で前衛パフォーマンスを多数決行し、国際的に高い評価を獲得した。85年、山梨県内に移り住み、農業を自身の礎に、舞踊活動を継続している。

 映画やテレビなどの映像作品への出演も増えている。初めて参加したのは、山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』(2002年)。同作で『第26回日本アカデミー賞』最優秀助演男優賞、新人俳優賞を受賞、『第48回キネマ旬報ベスト・テン』新人男優賞を受賞した。アニメ映画『鉄コン筋クリート』(06年)では、初声優にも挑戦し注目を集めた。

 テレビドラマでは、『ハゲタカ』(07年、NHK)、大河ドラマ『龍馬伝』(10年、NHK)に出演。近年では、『47 RONIN』(13年)でハリウッド進出を果たし、『永遠の0』(13年)、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(14年)など、その年を代表する映画に次々と出演し、存在感を放っている。

 『まれ』で連続テレビ小説初出演。製塩の職人という役柄に加え、コメディーを演じているところが何より新鮮だ。映像作品で固定しつつあったイメージがひっくり返った人も多かったのではないだろうか。乗じて、同局のオムニバスコント番組『LIFE〜人生に捧げるコント』にも出演し、本人も「まさかコントに出るとは思わなかった」と驚いていたという。

 『まれ』の制作統括・高橋練チーフプロデューサーは、「基本的には寡黙で、職人気質な堅物だけど筋金入りの祭りバカだったり、妻役の田中裕子さんとの掛け合いで見せる困った顔やとぼけた感じだったり、ギャップをうまく表現してくださっていることで、さらに魅力的な元治さんになりました。泯さんにお願いして本当によかったと思っています」と目を細める。出演経緯について改めて聞いた。

 「『まれ』では、能登の伝統的な塩づくりをドラマの中で生かしたいと考えていました。天秤棒で80キロ近い海水を塩田まで運ぶ、潮汲みだけでも重労働。それを塩田に撒く姿にリアリティが感じられる方ということで田中泯さんの名前がすぐに挙がりました。ご自身もかねてから塩づくりに興味を持っていたということで、能登で代々、塩田を営む角花豊さんに伝統の製塩法について指導を受けてもらいました。泯さんをとおして塩づくりや能登で生きる人々の魅力が伝わればいいなと願い、そのとおりになっていると思っています」(高橋CP)。

 現在、横浜編を放送中で、能登にいる桶作家の出番は少ないが、「第4週で元治さんの息子が塩田を潰してカフェをやったらどうだと騒動になりましたが、今後、時代の流れの中で、塩田を続けていくのかどうかをめぐるドラマも描かれます。塩田と元治さんがメインとなるストーリーが控えています」と高橋CP。これからの展開も楽しみだ。

関連写真

  • 連続テレビ小説【まれ】桶作元治役の田中泯(C)NHK
  • 潮汲み3年、潮撒き10年の製塩職人を熱演(C)NHK

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