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無名歌手をブレイクさせるonepeace社のYouTube活用術

 TwitterやLINE、Facebook等のSNSや、YouTube、niconicoなどの動画配信サイト、VineやInstagramなどの画像・動画共有サイトなど、プロモーションにも大いに活用できる拡散力の高いインターネット関連サービスが次々と新機能を追加し、ますます存在感を強めている。ユーザーのトレンドも日々移り変わっていくなかで、ニーズを察知し、人が集まっているサービスを見極め、適宜、活用していくことは、エンタテインメント関連企業においても、不可欠となっている。

アーティスト・プロモーションにおけるYouTube活用のヒント

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 こうした状況のなか、音楽制作/配信やアーティストマネージメント事業を手がけるonepeace社は、プロモーションツールとしてのYouTube活用術で話題となることが多い。実際、ここ1年間だけでも、tofubeatsマット・キャブMACOなど所属アーティストの作品が続々とiTunesチャートを賑わせていることでも知られる。その手法とはどのようなものだろうか。
「基本的には当然、良い音楽ありきで考えています。ただし、いくら良い音楽でも無名の一般人の動画が話題になるなどという現象はなかなか起こらない。MACOやマット・キャブでは、有名曲を独自にカバーする方法でひとつの入口を作っています」と同社のディレクター/アーティストマネジャーの日高雄二郎氏。

 「最初は音楽的な親和性が高く、一定の登録ファンがいるマット・キャブの公式チャンネルに、彼とのデュエットで「We Can’t Stop/マイリー・サイラス」を公開しました。その後、MACO自身の公式チャンネルを開設、日本の若い女性に人気のある洋楽カバー曲をアップしていったところ、4ヶ月で累計500万回を超え、どんどん再生回数が伸びていきました」(日高氏)

 他アーティストの公式でお披露目し、その一部のファンの誘導が果たせたとしても、公式での視聴がそれだけで自動的に伸びるわけではない。彼女の場合、動画内のファッションでも話題を提供している。女子中高生に人気のあるデザイナー植野有砂氏、人気モデルの夏海氏がブログやツイッターで紹介したことも認知拡大に寄与した。ここでコアとなるファン層の属性がある程度はっきりしたことで、YouTube投稿とそれ以外のSNS運用の連携が本格化する。

 「Twitter中心ですが、ほとんどすべてのメッセージにリプライしています。化粧品はどこの製品を使っているとか、服のこととかの気軽な質問も含めて。メジャーデビューの発表の際も、私のTwitter で一番最初に発表させてもらいました」(MACO)

■新規投稿ペースは月に最低でも2回

 現在、彼女のTwitterには1万3000名以上のフォロワーがいるが、その熱量は高く、アクティブな交流が続いている。TwitCasting(ツイキャス)を使った生中継での告知なども随時行っている。
「ツイキャスは事前にTwitterなどで告知してからやっています。中高生が家で観られる時間が中心で、『22』というミニアルバムの発売時には、iTunes Storeでの買い方を説明する中継もやりました(笑)。タイムラインに「買えました」とかコメントが流れてきて一体感もあり、おかげで、iTunesチャートで1位になる瞬間もみんなで共有できました。他にも、FacebookやAmebaブログもやっていますし、Instagramもファッション系の話題を中心に活用しています」(MACO)

 新規投稿ペースは月に最低でも2回。使えるインフラはすべて活用して交流を続けることで、質の高いファンを確保しているということだろう。一方、YouTube公式チャンネルの登録者数は現在5万。新規投稿ペースは月に最低でも2回を心がけているという。また、音源がYouTubeにだけ存在する状態を作ることや、楽曲をフルでは聴かせないことなど、ユーザーにもっと曲を聴きたいと思ってもらえるように細かいところにまで気を配っている。

 さらに、動画撮影については、世間の話題性やファンからの要望などをキャッチしたら、すぐに撮影・配信ができるように常に体制を整えているという。
「気をつけているのはタイミング。その時々の話題や視聴者のライフスタイルにピンポイントで合わせる作業が重要だと考えています」(日高氏)

 決してYouTubeだけでは完結させず、配信日時も含め、SNS経由の導線をいかに丁寧に運用するかにこそ、YouTube活用の最大のポイントがあることは確実のようだ。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年5月5日号掲載)

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