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「宮本亜門が優しいなんて冗談じゃねぇ」 舞台『金閣寺〜The Temple of The Golden Pavilion〜』

 4月5日より上演した宮本亜門演出の舞台『金閣寺〜The Temple of The Golden Pavilion〜』の公開フォトコールが行われ、舞台の一部をマスコミ向けに公開。その前に出演者の柳楽優弥、水橋研二、水田航生、市川由衣、演出した宮本亜門が会見に出席した。

舞台『金閣寺〜The Temple of The Golden Pavilion〜』出演陣と演出の宮本亜門。(C)De-View

舞台『金閣寺〜The Temple of The Golden Pavilion〜』出演陣と演出の宮本亜門。(C)De-View

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 日本文学の金字塔とも言われる不朽の名作・三島由紀夫の『金閣寺』を宮本亜門が舞台化させた本作。2011年にKAAT神奈川芸術劇場オープニング作品として初演され、同年の夏にはニューヨーク・リンカーンセンターフェスティバルに正式招待、絶賛を受けた。そして再び、新たな『金閣寺』が幕を開くことに。

 生来の吃音から疎外感に悩まれ育った主人公・溝口、下肢に障害を抱えながらも不敵に溝口を挑発する柏木、溝口の寺の同朋で明るさの裏で自死を選ぶ鶴川……。それぞれの若者の苦悩を描き出す『金閣寺』は、「生とは何か」「美とは何か」を自問する溝口とふたりの友人を主軸に現代の若者にも通じる閉塞感を、映像・身体・声で多層的に描く。

 宮本は「再々演という形で、このシアターACTでできるのは、すごく嬉しい。この作品は僕にとって思い入れの深い作品で、時代の大きな変化と共に、何をどう感じでもらえるかは、稽古場からも変わってきています。なので前のバージョンとはまた違うし、前回よりもすごく凝縮して、エネルギーをぐーっと固めた、ひとつの改作しているという風に思っていただいてもいいと思います」と自信を見せた。

 そんな舞台を体現する演者は役作りに苦労。吃音に悩む溝口を演じる柳楽は「最初稽古に入る前は、吃音症というのをすごい意識していたんですけど。稽古入ってから、もっと溝口の内面の感情を大事にしなくちゃいけないと1番強く感じました」と語り、役作りのためにお寺へ入山し修行体験も。「たまたま僕が入山した日に、もうひとり入山した人がいたんですけど。その人が本当に鶴川みたいな人で、その気持ちを水田さん演じる鶴川に重ねられるようになれて、嬉しかったですね」と舞台に活きる経験ができたと話した。

 そんな鶴川を演じた水田も「やっぱり溝口の光であらなきゃいけという風に思って臨んだものが、稽古を重ねて溝口を1番最初に置くんじゃなくて、鶴川は鶴川でその人として生きることが、より溝口を引き立てたり、鶴川を魅力的に見せたりするんだなと感じて」と、こちらも苦悩した様子。

 下肢に障害を抱える柏木を演じた水橋は「最初はすごい難しくて。何度も何度も台本を読んで、亜門さんとも相談させてもらったりして」と語り、溝口の初恋女性・有為子と生け花の師匠役の市川は「出演シーン自体はすごく短いんですけど、亜門さんに本当にたくさんのヒントを貰って、たくさん想像して。心に残る女性というか、自分の中でひとりの女性として、生き様みたいなのを自分の中で作り上げてやっていきました」と、それぞれが宮本との二人三脚で作り上げていった。

 それだけに稽古は厳しいものだったようで、宮本は「怒涛の稽古しましたね。柳楽くんいわく、“宮本亜門が優しいなんて冗談じゃねぇよ!”ってこの前テレビで言ってましたけど(笑)」と柳楽をチラ見。柳楽は「ライターの方に優しいって聞いてたんですけど、厳しい方でした」と本音を告白。「そのライターさんが間違ってたね(笑)。それくらい、良い意味で葛藤し、お互い1ヵ月間ああでもない、こうでもないってやってきて、その成果を実際に観ていただければと思います」と宮本自身も今回の稽古の厳しさを振り返った。

 そのかいもあり柳楽は「周りのキャストの方に支えられながら、僕の代表作にするという、そういう気持ちで挑みたいと」と語尾を強め、宮本も「(柳楽の)代表作になると思います。それくらい彼は飲み込んでるし、正直言うと全員が『悔しいー!』って1度涙を越えてるくらい、すごい状態を越えてきているんでとても楽しみです。今だからこそ観て欲しい」とアピールし会見を終了させた。

 舞台『金閣寺〜The Temple of The Golden Pavilion〜』は4月19日まで赤坂ACTシアターにて上演。なお、発売中の『デ☆ビュー』5月号には、柳楽優弥インタビューが掲載中。

関連写真

  • 舞台『金閣寺〜The Temple of The Golden Pavilion〜』出演陣と演出の宮本亜門。(C)De-View
  • 主演を務める柳楽優弥は、役作りで坊主頭姿に。(C)De-View
  • 「人間のあり方みたいなことを、今だからこそ観てほしい」と語る宮本。(C)De-View
  • 柏木役を掴むのが難しかったと語った水橋研二。(C)De-View
  • 度重なるオーディションをくぐり鶴川役に選ばれた水田航生。(C)De-View
  • 本番までたくさん悩んだと話す市川由衣。(C)De-View
  • 宮本の「彼の代表作になる」の言葉に思わずガッツポーズする柳楽。(C)De-View
  • 「優しいなんて誰に聞いたの?」と柳楽に質問する宮本。(C)De-View
  • それぞれの闇や微妙な距離感を見事に演じる。(C)De-View

提供元:Deview

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