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ポン・ジュノ監督のクリエイティブ 怒りよりも恐怖を感じている

 『殺人の追憶』『母なる証明』などでは人の内なる本質をえぐるように描き出し、特異な作風から鬼才監督としてその名を世界中の映画シーンに轟かせているポン・ジュノ。クエンティン・タランティーノや宮藤官九郎など気鋭のクリエイターにもポン・ジュノ作品のファンが多いことも知られている。そんなポン・ジュノのクリエイティブに迫った。

韓米仏合作『スノーピアサー』(2月7日公開)を手がけたポン・ジュノ監督

韓米仏合作『スノーピアサー』(2月7日公開)を手がけたポン・ジュノ監督

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 ポン・ジュノ作品の特徴のひとつが笑いのシーン。笑っていいのか戸惑ってしまうようなシリアスなシーンに、笑いを起こさせる要素を入れ込んでいる。そこへのこだわりは――。

「確かに私の映画のなかの笑いは、痛快に笑えないものは多いですよね。だから好きな人と嫌いな人に分かれるみたいです。でも、人間の喜怒哀楽はそんなに割り切れるものではなく、喜びと一緒に怒りがあったり、いろんな感情が混在しているものなんです。そういう感情を映画で表現したいから、複雑な笑いになるんです」(ポン・ジュノ)

 一方、作品には毎回、何かに対する疑問や怒りがテーマにあるように感じられる。それは、自らが常日頃から感じていることなのだろうか。

「私は小心者なので、怒りというよりも、恐怖を感じています。恐怖を感じると隠れることになります。隠れるとのぞき見ることになり、そうすると細かいものが見えてくるんです。クリエイターというのは、社会に馴染めない人が多いんですよ(笑)。馴染める人なら社会のなかでうまく生きていけますけど、そうでないからこそ、映画を作ったりしているんです」(ポン・ジュノ)

 ポン・ジュノは、映画には“いろいろ詰め込まない”ことが重要と言っている。また、3Dは撮らないとも聞くが、そこへのこだわりとは。

「それは映画のシナリオを書くときにいつも悩むところです。必要以上に詰め込むと消化不良を起こし、映画を台無しにすることもあります。3Dに関しては、個人の好みの問題です。3Dはその空間に入っているような感覚がありますよね。私は平面化された表現により強いイメージを感じるんです」(ポン・ジュノ)

 2014年は、初のグローバルプロジェクトとして手がけ、世界167ヶ国で公開される韓米仏合作『スノーピアサー』が日本でも公開(2月7日)。英語で制作され、英語圏でも公開される同作。映画製作に関して、今までとは異なる部分もあったのだろうか。

「そこまで考える余裕はありませんでした。さまざまな国の俳優さんたちと撮影しないといけませんので、そこに神経を使うことでせいいっぱいだったんです。どの国の人が観るからということに気を遣うよりも、人間の本質とは、人間の条件とは、そしてシステムとは何か?ということを掘り下げるほうが重要だと思いました。人間としての普遍性を描けば、どの国の人が観ても理解できます。でも、それは監督としての意見です。プロデューサーならば、国家別でどのようなマーケットがあるかという分析をする必要もあると思います」(ポン・ジュノ)

 以前、『母なる証明』をひと言で表すと「母が狂った」と言っていた。今回の『スノーピアサー』は?

「そうですね、『列車を壊せ!』はどうでしょうか。映画のなか列車は、システムを意味しますから、『システムなんてクソくらえ』という意味でもあります」(ポン・ジュノ)

ポン・ジュノ監督インタビュー『いろいろな感情を表現したいから複雑になる』
韓国映画特集『活況を呈するシーンの新たな傾向と動向を探る!!』

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