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J.J.エイブラムス「今はTVの黄金期」 米国ではドラマが映画を凌駕する勢い

 ハリウッド屈指のヒットメーカー・J.J.エイブラムス(46)がSkypeを使ったインタビューに応じた。米国のテレビ界はシーズンを重ねることが難しく、容赦なく打ち切りにされるシビアな世界。その中で数々の成功を収めているエイブラムスは「常にチャレンジングだよ」と語る一方、「そうはいっても、今はTVの黄金期だと思っている」と自信をのぞかせる。

米国のドラマ・映画のヒットメーカー、J.J.エイブラムス

米国のドラマ・映画のヒットメーカー、J.J.エイブラムス

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 たとえエイブラムスであっても「企画からパイロット(試作)にこぎ着けられるのはごくわずかだし、パイロットのなかでも放映されるのはごくわずかだ。放映されても1シーズン以上続くのもごくわずかだ。だから常に闘いだ」。

 それでも「黄金期」と思う理由についてエイブラムスは「長編映画はマーケティングに左右されることが多いし、スタジオは常にマーケティングできるか否かということを視野に映画作りを決めている。だから映画ではリスクに挑むことが少なくなってきているが、その分テレビではリスクを厭わない企画が増えてきている。その結果アメリカのテレビや海外のテレビでも、ワクワクするような面白いシリーズがどんどん出てきているんだ」と、相対的に米国の映画界が弱くなっていると指摘する。

 確かに、スティーブン・スピルバーグが製作を手がけたTVドラマが話題になるなど、TVシリーズに本格参戦する映画監督が増えているとも言われる。エイブラムスは「今は映画『スター・トレック』の新作の編集をしているところ(2013年公開予定)。公開前に日本でのプロモーションも予定しているよ」と映画製作も行っているからこその実感を語る。

 「映画でもオリジナリティを打ち出したいところだが、最近のトップ10リストを見ても、10年前やそれ以前と比べると続編、リメイク、リブートではない映画の数が格段に減っているだろう? だから今はテレビのほうが面白い。テレビがメディアとして(映画よりも)劣等であるという偏見もなくなってきているので脚本家や監督や俳優達がテレビに流れ込んできているし、結果、独創性に富んだ、エッジの利いた、キャラクターもストーリーも面白いものがどんどん出てきているんだ」。

 エイブラムスは、脚本家として映画『フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白』(1992年)や『アルマゲドン』(1998年)などの大作を手がけて注目を浴び、TV界に進出。『フェリシティの青春』、『エイリアス』と人気シリーズを生み出した。そしてこの活躍がトム・クルーズの目に止まり、『M:i:III』(2006年)で映画監督デビューを果たす。近年では企画・製作総指揮をとったTVドラマ『LOST』を大ヒットさせ、その地位を不動のものにした。

 2011年から今年にかけてはパラレルワールドで奇妙な事件が起きる『FRINGE/フリンジ<フォース・シーズン>』、昨年全米ナンバー1視聴率を記録した犯罪予知アクション『パーソン・オブ・インタレスト』、実在の監獄を舞台にしたアクション・ミステリー『ALCATRAZ/アルカトラズ』の3作品を世に送り出し、今後も「テレビのパイロットを数本、映画も企画段階のものが数本ある。面白いものばっかりだ」と笑顔をみせる。

 どうすればそんなにも次から次へと企画が生まれるのか。エイブラムスは「作品作りで心がけているのは、自分だったら見たいかどうかという視点だね。肝心なのは、キャスト・スタッフが参加したいと思えて、視聴者が喜ぶ番組は何かを考えることに尽きるんだ」とヒット作を生み出す秘けつも語ってくれた。
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