元大相撲力士で第65代横綱の貴乃花光司氏が2日、東京・浅草の平成中村座で上演中の五月大歌舞伎『神明恵和合取組 め組の喧嘩』のけいこ観劇に訪れた。

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　この日が歌舞伎初体験という貴乃花親方は「なんでもっと早く観に来なかったんだろうってくらい面白い」と勘三郎のステージに魅了され大感激。親方と初対面した中村勘三郎も「初代貴乃花の大ファンだったので、なんだか不思議な感じ。嬉しいです」と満面の笑みを見せた。報道陣から親方へ、二股騒動の渦中にある俳優・塩谷瞬の話題が飛ぶも「テレビはあまり見ないので…。私はこれから歌舞伎と相撲の“二股”ですね」とさらりと交わし、会場を後にした。

　昨秋から始まった平成中村座ロングラン公演の最終作品である同舞台は、火消しのめ組の鳶と豪快な力士のけんかを活写。演目内容にちなみ親方を招待した片岡亀蔵は「1月にここで『め組』をやると決めたときから考えていた」と経緯を明かし、勘三郎も「7カ月舞台を続けて、最後にこういうことができて嬉しい。これもなにかの縁と思っています」と感激しきりだった。

　客席の真ん中で真剣にけいこを観劇した親方は「すごく面白くて、短時間でこれだけ迫力あるお芝居見せるのはすごい。これでファイナルなのがもったいない」と満足げ。歌舞伎観賞デビューで「歌舞伎と相撲の関連性がもっと深まればいいな」と胸を踊らせ、中村橋之助からも「次はお弟子さんたちを連れて、賑わせてほしいですね」と歓迎されていた。