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【TIFF】『キツツキと雨』グランプリに及ばずも審査員特別賞受賞

 22日より東京・六本木ほかで開催された『第24回東京国際映画祭』が30日、閉幕した。コンペティション部門ほか各賞が発表され、最高賞の「東京 サクラ グランプリ」はフランスの『最強のふたり』(エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ共同監督)に、審査員特別賞には日本映画で唯一出品された役所広司小栗旬主演、沖田修一監督の『キツツキと雨』(2月11日公開)が選ばれた。

『第24回東京国際映画祭』コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した『キツツキと雨』の沖田修一監督

『第24回東京国際映画祭』コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した『キツツキと雨』の沖田修一監督

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 最優秀監督賞を受賞したスウェーデン出身のリューベン・オストルンド監督の『プレイ』を含めた3作品について、審査委員長の映画プロデューサー、エドワード・R・プレスマン氏は「議論が白熱しました。その中で『キツツキと雨』 は東京サクラグランプリには軽過ぎるのではないか、『プレイ』はダーク過ぎるということで、『最強のふたり』 に決めました。ただ、監督賞については、オストルンド監督にしようということで意見は一致しました」とコメント。

 『最強のふたり』は、事故で首から下が完全に麻痺してしまった富豪と、介護役に雇われた黒人青年、人種や年齢、社会的ステイタスなど、あらゆる面で共通点がないふたりの男が、最強の友情を築いていく過程を描く。実際にあった話を基にしたシナリオはユーモアにあふれ、観客を笑わせながら心を揺さぶるバランスのよさが評価された。

 沖田監督の『キツツキと雨』もふたりの男の偶然の出会いから始まる物語。のどかで小さな山村を舞台に、村人たちとゾンビ映画の撮影隊の奇妙なコラボレーションをコミカルに温かく描く。役所が木こりの克彦役、小栗が新人監督の幸一役を演じる。受賞後の会見で沖田監督は「二人の主役とは、仕事がしやすかった」と話していた。

 『プレイ』は実際のいじめ事件を題材にした作品。被害者の心理を操り、暴力を使わず精神的に追い込むことで目的を達する加害者の“Play”(演じる、演劇、遊び)を通じ、偏見や恐怖が人の行動に与える影響を描写した。

 東京国際映画祭事務局の発表によると、今回の上映作品数は128本、総上映回数315回(前回は275回)、劇場動員数は4万1648人だった。グリーンカーペットなどのイベント来場者の延べ数は約2万人。また、3月から実施してきた東日本大震災の復興支援を目的とした「TIFF ARIGATOプロジェクト」の募金額は113万5945円(29日正午まで)に達した。

■第24回東京国際映画祭受賞一覧
●コンペティション
東京 サクラ グランプリ:『最強のふたり』(エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ監督)
審査員特別賞:『キツツキと雨』(沖田修一監督)
最優秀監督賞:リューベン・オストルンド/『プレイ』
最優秀女優賞:グレン・クローズ /『アルバート・ノッブス』
最優秀男優賞:フランソワ・クリュゼ、 オマール・シー /『最強のふたり』
優秀芸術貢献賞:『転山』(ドゥ・ジャーイー監督)
優秀芸術貢献賞:『デタッチメント』(トニー・ケイ監督)
観客賞:『ガザを飛ぶブタ』(シルヴァン・エスティバル監督)

●TOYOTA Earth Grand Prix
TOYOTA Earth Grand Prix:『鏡は嘘をつかない』(カミーラ・アンディニ監督)
審査員特別賞:『ハッピー・ピープル タイガで暮らす一年』(ヴェルナー・ヘルツォーク/ドミトリー・ワシュコフ監督)

●アジアの風
最優秀アジア映画賞 『クリスマス・イブ』 (ジェフリー・ジェトゥリアン監督)
アジア映画賞スペシャル・メンション:『鏡は嘘をつかない』(カミーラ・アンディニ監督)
アジア映画賞スペシャル・メンション:『TATSUMI』(エリック・クー監督)
アジア映画賞スペシャル・メンション:『ラジニカーントのロボット(仮)』(S・シャンカール監督)

●日本映画・ある視点
作品賞:『ももいろそらを』(小林啓一監督)

【動画】映画『キツツキと雨』予告編⇒

【フォトレポート】第24回東京国際映画祭グリーンカーペット⇒


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