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“あの対応”の良くなかったところがわかる “アヤマリスト”に聞いた『謝罪の極意』

『謝罪の極意』(小学館)著者の越川慎司氏

『謝罪の極意』(小学館)著者の越川慎司氏

 企業や学校、政治家、タレント……連日のようにメディアで取り上げられている“謝罪会見”。一般社会における“謝罪訪問”も含め、起きた問題への対処を一歩間違えば、社会的信頼を失い、ビジネスにおける“生命”を絶たれる可能性もあるだけに、たいていの人は、謝罪という言葉自体に怖さとプレッシャーを感じていることだろう。
 しかし、元マイクロソフト幹部で、これまで585 件にも及ぶ謝罪訪問を経験、謝罪をきっかけに信頼関係を構築したことから、63 億円もの追加契約を勝ち取るなど、そこから導き出したビジネスメソッドを綴った『謝罪の極意』(小学館)の著者で“アヤマリスト”を自称する越川慎司氏は、「謝罪のピンチはすべてビジネスチャンスに変えることができる」と断言する。事実、越川氏は、現在、コンサルタント会社を経営しているのだが、顧客28社のうち半数がかつて謝罪に訪れた会社。『謝罪の極意』の出版に至ったのも、謝罪にまつわる相談や講演依頼を多数受けるようになったことから、「謝罪の本質を、多くのビジネスマンに理解してもらい、不要なストレスから解放され、謝罪する側と謝罪される側が不幸にならない仕組みを作りたい」という思いがあってのことだった。

トラブルが起こって 初動の2時間が重要

  • 越川慎司氏

    越川慎司氏

 そんな越川氏がまず、謝罪においてアドバイスするのは、初動の2時間の重要性だ。
越川相手にどのような影響や被害を与えてしまったか、できる限り情報を集め、原因とインパクトを把握します。また、複雑な課題は一人では解決できませんから、さまざまな能力を持った人に集まってもらい解決に当たります。例えば、私が企業から相談を受けたときは、まず、社長命令で関係部門全員を呼んで緊急会議を開き、その場で役割を決めて進めていきます。世間は、組織として対応できているかを見ていますから、それができていないと、その企業はまた問題を起こすのではないかと考えられる。企業ブランドでビジネスをしている会社は、特に気を遣わなければなりません。

大切なのは相手に “伝わる”コミュニケーション

 さらに重要なのが、相手に“伝わる”コミュニケーションを心がけること。
越川怒りは二次感情です。ネガティブな一次感情が溢れると、怒りに変わります。相手をそのような状態にさせないためには、“伝える”のではなく、“伝わる”コミュニケーションが必要です。というのも、“伝える”は主役が自分、“伝わる”は主役が相手になるので、相手がどういう状況で、どういうふうにしたらハッピーになるかが考えられるんです。例えば、夏の暑いときに冷たいアイスコーヒーが飲みたいと思っているお客様にホットコーヒーを出すと怒られますよね。謝罪も同じで、お客様が何を欲しているか。相手に合わせて“伝わるコミュニケーション”を用意すれば、謝罪はチャンスに変わります。

誰に何を謝っているのかを明確に 再発防止策も提示

 失敗と言われる謝罪で多いのが「誰に謝っているのかわからない」「謝罪の目的が何なのかわからない」というケース。これはまさに伝わるコミュニケーションが取れていない証拠。誠意がないとみなされる原因だ。回避するためには「5W1Hで要点を整理するといい」と越川氏。
越川頭を下げてお詫びの言葉を発することは必要ですが、それだけでは相手は満足してくれません。時系列経緯と根本原因を説明し、見えない部分を見えるようにして相手の不安を取り除き、誠意をもって反省の意を伝える。そして、その後、次、同じ過ちを犯さないためにはどうしたらいいのか、再発防止策を示します。防止策を用意していかないと、誤魔化そうとしているのではないか、今回の問題を軽んじて見ているのではないかと思われてしまいますからね。
  • 越川慎司『謝罪の極意  頭を下げて売上を上げるビジネスメソッド』(小学館)

    越川慎司『謝罪の極意 頭を下げて売上を上げるビジネスメソッド』(小学館)

 芸能人のようにイメージを売りにしてビジネスをしている人たちは、信頼が重要なのは言うまでもない。それを構築するためにも、伝わるコミュニケーションで、誠意と再発防止策を示すことは重要だ。
「信頼を長期で確保するためにはどうしたらいいか、それを目的とすれば、逃げない回答、嘘をつかないなど、正しい手段が考えられるはずです」

 謝罪をピンチではなく、自分を成長させるチャンスに変えられるか。いざというときのために、「謝罪の極意」を学んで、備えておきたい。

文/河上いつ子
■書籍情報
『謝罪の極意 頭を下げて売上を上げるビジネスメソッド』
越川慎司 著(小学館)

提供元: コンフィデンス

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