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北海道ボールパーク代表取締役社長・福田要氏「北海道のシンボルとなる “共同創造空間”を構築したい」

北海道ボールパーク 代表取締役社長 福田要氏 撮影/逢坂聡

北海道ボールパーク 代表取締役社長 福田要氏 撮影/逢坂聡

 昨年11月、北海道日本ハムファイターズと北海道ボールパークは、新球場の建設、その概要と外観のイメージを発表した。新たに“ボールパーク”構想を掲げた新球場は、一体どのようなものになるのか。この構想の推進を行う準備会社である北海道ボールパーク社長の福田要氏が、その展望を語ってくれた。

新球場はファイターズの企業理念である 「Sports Community」の延長線上で議論

――昨年11月に新球場建設を発表されたわけですが、いつぐらいからこの構想はあったのですか?
福田2004年シーズンに、北海道日本ハムファイターズが誕生したんですけど、その際、球団では「Sports Community」という企業理念が作られました。スポーツが生活の近くにあるコミュニティーを構築しようという考え方なんですが、これって言い換えると、スポーツによる街作りをしようということ。当時から、その延長線上に新球場の必要性が議論されてきました。それと併せて、ファンの方々の観戦環境面でも新球場の待望論はありました。というのも札幌ドームは、もともと「2002 FIFAワールドカップ」がきっかけで建設されたサッカー場を中心とした多目的施設で、『野球もできる造りにしよう』というものなんです。だから座席も野球場のものとは違うから、お客さんは体の角度を変えて観戦しないといけなかったり、他の球場に比べて階段も急だったり、プレーする選手が遠かったりするんです。構造上、野球専用のスタジアムではないので仕方ないんですけど…。さらに選手のプレー環境についても、今使っている巻き取り式の人工芝だと、クッション性が低く、ケガのリスクがあり、選手が思い切ったプレーができないということもありました。選手側からも要望が出ていたので、改善しなければならなと考えていました。

――新球場建設にあたり、どんな目的を打ち出してプロジェクトを進めていらっしゃるのですか?
福田北海道のシンボルとなる“共同創造空間”を構築したい」という想いです。そのエリア、空間が生み出すものは、本来の企業が求めるべき利益重視の考え方で生み出すものではなくて、地域との共存共栄であったり、もしくは社会問題の解決の場であるべきだと思っています。結果的に地方創生の一翼を担うことになるのがいいと思います。地域に根差し、ソフト・ハードの両面で地域にとって、「無くてはならない存在」になる。それが大きな目標ですね。

目指すのは 進化型のボールパーク

――新球場は、“ボールパーク”構想のもとに建設が進められていると伺いました。この構想はいったいどのようなものなのですか?
福田2023年の開業を目指して進めていますが、実は新球場以外の施設は100%完成しているとは思っていないんです。我々が目指すのは、進化型のボールパーク。毎年なのか、2年に1回なのか、まだわかりませんが、必ず何か新しい物ができている。『こうあったらいいな』という構想図があるんですけど、球場の周辺に、商業移設やスポーツメディカル、アリーナなどさまざまなものが集まっています。今、画にしているからこういう風に見えていますけど、アイデアは日々出てくるものなので、半年後、描いているものは変わるかもしれません。今、20〜30人くらいのチームが日々アイデアを出し合っています。どんな施設がこのエリアに入るのかは、今まさに交渉中。自分たちがイメージするものがあって、こういう企業さんと組みたいというアイデアが出てきて、そこでアプローチしていく。HPのイメージ動画も広まって、ありがたいことに社外からもたくさん『こんなことどうですか?』というご提案をいただくことも増えました。普通の商業施設を持ってきたところで、それは日常にあるわけですから、特徴あるもので他にない魅力、ここにもう一回行きたいと思って頂けるものを集めたいと思っています。現状、野球だけで年間200万人の動員を目指していますが、野球以外の部分でもっと積み上げるつもりです。

――北海道日本ハムファイターズの主催ゲームが年間70〜80日程度。それ以外の300日弱も含め、球場をどのように運用していこうと考えていらっしゃいますか?
福田私たちが課題にしていることの一つに、「野球の無い非試合日の魅力」が挙げられます。「非試合日はどうするんですか?」「雪が降ったらどうするんですか?」などの質問もよく受けます。これは、いかに魅力的なエンタテインメントを提供できるか、そして周辺施設も含めて充実したコンテンツを提供できるかにかかってくる。私は、球場自体の概念を変えて、このボールパーク自体を観光拠点と考えています。
 今現状はお話できるほど詰まったものはないんですけど、ここに紋切り型のエンタテインメントを持ってきてもしょうがないと思っています。そうではなくて、例えば自然が豊かであったり、冬の雪を使って体験型のアクティビティーがあったり、今このエリア内で今ここでしか体験できないことを提供したいと思っています。 
――HPの完成イメージ動画を拝見しましたが、これまでの日本の野球場のイメージとは大きく異なります。どんなコンセプトで球場設計を進めていらっしゃるのでしょうか?
福田実は、グラウンドが約20m掘りこんであるんです。そうすることによって、360度どこからでも見やすくなる。私たちひとつの挑戦が、『ながら観戦』なんです。今の日本の野球場にいらしゃるお客さんって、試合の始まる1時間前くらいに球場に入って、弁当買って食べて、観戦して。試合が終わったらすぐに帰るお客さんが多いんです。野球が大好きな人だったらそれでもいいんですけど、子どもは飽きてしまうだろうし、野球をそこまで好きじゃない人たちもたくさんいらっしゃる。そういう人たちに『また来たい』と思ってもらわなければ、次はないんです。そういう意味で、『何かをしながら野球を観る』ということを推奨したい。例えば、レストランで食事をしながら観られたり、温泉に入りながら観ることができる。キッズスペースで子どもを遊ばせながら観られたり、コンコースのどの位置からもグラウンドが望めるため、コンコースでやっている縁日のようなグルメやアトラクションをグルグル巡りながら野球が観られる。もちろん、ガッツリ観たい人はチケットを購入して座席で観られるけど、そうでない人も楽しめるチケットの仕組みを検討中なんです。極論言えば「何か面白そうなことやってるみたいだね、入ってみる?」という感じで、気軽に球場に入っていただいて、中を歩いて、食事をしたり、遊びながら、野球もちょっと観る。最終的に、『面白かったからまた来よう』という人を増やしたいんですね。試合の3〜4時間前に来てもらって、エリア内で遊んで、野球も観て、終わったらエリア内で食事したり、『祝勝会』や『反省会』などをしてね。エリア内のホテルに泊まったり、グランピングをしたり。とにかくこのエリアですべて完結して楽しんでもらう。 
また、観光拠点としてはもちろんなのですが、エンタテインメントシーンだけに特化させるつもりはありません。球場の中には会議スペースやレストラン、VIP用の部屋もあり、国際会議や商談もできるようにしてあります。北海道は学会も多いので(笑)。楽しいだけでなく、ビジネスシーンにおいても何かを生み出す場所として、このボールパークが活用されることも想定しています。

北海道の方々が誇りに 思えるものにしていく

  • 北海道ボールパーク 代表取締役社長 福田要氏 撮影/逢坂聡

    北海道ボールパーク 代表取締役社長 福田要氏 撮影/逢坂聡

――ここまでの規模の球場建設も含めたボールパーク化は、北海道日本ハムファイターズが、日本で初めて試みていると思いますが、このプロジェクトを遂行する上で、福田社長が重要視していることはどんなことですか?
福田今どこの球団もボールパーク構想を打ち出され、それぞれのやり方でやっていると思います。そのなかで私たちは、『共同想像空間』を打ち出し、独創的な考え方をお持ちのパートナーさんと一緒にこのエリアを作っていきたい。そして、北海道の方々に誇りにしていただきたいと思っていますし、北海道の価値を上げていく。そんな“ボールパーク”にしたいと強く願っています。ファイターズという球団には、『ファンサービスファースト』という活動指針があります。昔、新庄(剛志選手)が天井から降りてきてファンを喜ばせましたが、『魅せる』という行為は、すべてこの活動指針に起因し、選手、コーチ、監督、フロントがそれぞれの立場で、徹底されているんです。このボールパーク構想の中にも、その考えは生きています。だからプロジェクトを進めるなかでも、常に自問自答しています。「これって自分たちのためじゃないよな?来場されるお客様のためになってるよな?」と。このボールパークは、スポーツを軸にしたエンタテインメント空間です。そしてエンタメ的側面と併せて、教育的側面もあります。『観る』『する』『支える』ということがよく言われますが、その原点にあるのがスポーツの教育的視点なのかなと思います。このエリアがただ単に楽しい場、居心地がいい場というだけでなくて、人と人とが交流することで学び、人格形成されるような、そんな“ボールパーク”になってほしいと思っています。
【プロフィール】
ふくだ かなめ
1960年生まれ。82年日本ハム入社。以降、本社営業企画部課長、本社新市場開発室参事、ハムソーセージ事業部商品開発室次長、関連企業本部事業統轄部マネージャー、お客様コミュニケーション部次長を歴任し、2010年、北海道日本ハムファイターズ 事業推進グループ部長に。同社取締役(管理兼事業担当)、取締役管理本部長、取締役事業統轄本部長、取締役管理統轄本部長を経て、17年に日本ハムコーポレート本部 スポーツ担当 シニアマネージャーに就任。昨年4月から現職。

提供元: コンフィデンス

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