平成で一番“使われた”曲1位は「世界に一つだけの花」 カラオケ通じ歌い継がれる演歌・歌謡の名曲も多数上位に

ネット配信の出現により利用機会激増、年間で約12億曲が利用

 このように音楽の使われ方が多様化する時代に向けてJASRACサイドも都度、その変化に応じているという。JASRAC広報部の薬師寺卓氏は次のように平成を振り返る。

「JASRACは、昭和の時代に始まり平成を通した80年間、作詞家、作曲家、音楽出版社などの権利者の皆さまへ適正な使用料を還元(分配)することを第一に事業を進めてきました。放送や演奏会等などの分野において利用者の皆さまと真摯に向き合いながら権利者への対価還元を増やす取り組みを進めてきたほか、当時はルールがなかった通信カラオケやネット配信などについて、ゼロから対価還元の仕組みを構築してきました。音楽の聴かれ方、使われ方、法律の改正に対応してきたという意味では利用の多様化に対応してきた歴史といえますが、権利者の皆さまへ適正な使用料を還元(分配)するという姿勢は一貫としています。

 ネット配信の出現により、大量の楽曲を利用することが可能になり、JASRACへ報告される曲目の数が爆発的に増加しました。現在、年間で約12億曲が報告されています。地域の演奏会において手書きで報告される曲目から、ネット配信で利用される数千万曲まで、その情報を分配につなげていくための対応を強化してきた時代でもあります」(同氏)

今後の音楽シーンを予想、『生』で聴く、歌うというスタイルは普遍

 最後に、5月以降スタートする「令和」時代の音楽シーンについて薬師寺氏に聞くと、「配信に関しては、ダウンロード型からストリーミング型へ主流が変わりましたが、配信自体のシェアは今後も増えると見込んでいます。また、時代とともに音楽の聴き方は変わっていきますが、『生』で聴く、歌うというそのスタイル(JASRACの区分では演奏等(演奏会等、社交場、カラオケ))は、昭和の時代から平成を越え、『令和』の時代になってもその価値は増していくものと考えられ、分配額の構成にも影響していくのではないかと思います」と分析する。

 平成の時代を彩り、次世代に残すべく歌い継ぎたい名曲の数々が入ったこのランキング。令和時代はいったいどんな楽曲がどのような形態でランクインしてくるのか、また、昭和・平成の楽曲が令和の時代にどう歌い継がれ、聴き継がれていくか、興味深く見守りたい。

【ランキング表】JASRAC平成分配額上位 TOP10

世界に一つだけの花

SMAP

作詞者/槇原敬之 作曲者/槇原敬之

発売日:2003/3/5

世界に一つだけの花|SMAP

1

居酒屋

五木ひろし・木の実ナナ

作詞者/阿久悠 作曲者/大野克夫

発売日:1991/11/25

居酒屋|五木ひろし・木の実ナナ

2

エヴァンゲリオンBGM

作曲者/鷺巣詩郎

3

川の流れのように

美空ひばり

作詞者/秋元康 作曲者/見岳章

発売日:1989/1/1

川の流れのように|美空ひばり

4

残酷な天使のテーゼ

高橋洋子

作詞者/及川眠子 作曲者/佐藤英敏

発売日:1995/10/25

残酷な天使のテーゼ|高橋洋子

5

ふたりの大阪

都はるみ・宮崎雅

作詞者/吉岡治 作曲者/市川昭介

発売日:1981/9

ふたりの大阪|都はるみ・宮崎雅

6

I LOVE YOU

尾崎豊

作詞者/尾崎豊 作曲者/尾崎豊

発売日:1991/3/21

I LOVE YOU|尾崎豊

7

酒よ

吉幾三

作詞者/吉幾三 作曲者/吉幾三

発売日:1988/9/25

酒よ|吉幾三

8

乾杯

長渕剛

作詞者/長渕剛 作曲者/長渕剛

発売日:1988/2/5

乾杯|長渕剛

9

涙そうそう

森山良子

作詞者/森山良子 作曲者/BEGIN

発売日:2003/3/12

涙そうそう|森山良子

10

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索