『銀魂2』1位スタートも苦戦か 前作との決定的な違い
主な夏休み映画の初週2日間興収は4位
昨年の年間邦画実写興収1位となった前作『銀魂』(最終興収38億4000万円/初週2日間の動員39.3万人、興収5億4100万円)との比較では、動員と興収ともに98%。ほぼ前作なみの大ヒットスタートではあるのだが、状況が異なるのは、前作は7月中旬の公開であり、1ヶ月半の夏休み期間を丸々動員が見込めたこと。それに対して今作は、8月中旬の公開となり、夏休み期間が残りわずか2週間と短いことが前作と異なる。若年層のファンがメインになることを考慮すると、この先の前作ほどの動員の伸びが期待できないかもしれない。
別の見方をすると、お盆という社会人も休みの期間に初日を迎え、原作人気や豪華主役級キャスト、前作の評価など作品の大きさからすると、今作にかけられていた期待値には届かない厳しいスタートとも言える。ただしこれは、作品の人気が落ちているわけではなく、今作のファン層の広がりが前作なみだったということだろう。前作のヒットからのさらなる広がりも期待されていたが、ファン層が限られる作品の特殊性が一般層への拡大を限定的なものにした。現時点で見ると、最終の興収は30億円前後と予測する関係者もいる。
作品力からのサブカル層への広がりを期待
さらに、公開日前後のキャスト陣による主要都市でのイベントでも、それぞれの人柄やチームワークの良さがおもしろおかしく伝わり、作品への期待値が高まるとともに大いに作品が盛り上がっている様子が感じられ、そうした勢いを伝えることには成功している。
その内容について、映画ライターからは「お笑い一辺倒だった前作と異なり、コミカルだけでなく、シリアスもしっかり入ったうえ、攻めたパロディも効いていてバランスがよい」と良い評価の声もある。盛りだくさんの内容でボリューム満点なところは、原作ファンの満足度が高くなっているようだ。この先の口コミなどによる動員の伸びは、その作品力に尽きる。マスではなくサブカル好きの潜在的なファン層など、ライトなファンへの訴求からの動員に期待したい。
『銀魂2 掟は破るためにこそある』
出演:小栗旬 / 菅田将暉 橋本環奈 / 柳楽優弥 三浦春馬
脚本/監督:福田雄一
全国公開中 【公式サイト】(外部サイト)
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