公道ファーストなAMG
最高出力435psを誇る「メルセデスAMG CLS53 4MATIC+」は、4ドアクーペ「CLS」のトップパフォーマンスモデルだ。公道で実力の一端を……と試乗に臨んだリポーターは、むしろ“公道でこそ”と思えるフットワークの仕上がりに驚いたのだった。
45、63、43、そして53
門外漢には少しばかり分かりづらいメルセデスAMGのパワートレインラインナップを、ここで整理してみる。2019年夏現在、それは大きく分けて4種類が存在する。
最小は「A45」や「CLA45」「GLA45」などの横置きFF系モデルに搭載される2リッター4気筒ターボだ。国内現行型は381ps(!)だが、海外では421ps(!!)の新型「45 S」も登場。いずれにしても、スペック的には間違いなく世界最強の市販4気筒である。
逆に、現行AMGで最大・最強なのが「63」を名乗る4リッターV8ツインターボで、出力にして470〜639ps、トルクが630〜900Nmと幅広いチューニングが存在する。このエンジンはイメージリーダーの「AMG GT」はもちろん、セダンでいうと「Cクラス」から「Sクラス」までの縦置きFR系モデル全機種に搭載されるから、最強であると同時に、AMGの最大勢力でもある。
この2つのAMG専用エンジンは、ひとりの工員が1基ずつ専用ラインでハンドビルド生産するのも大きな特徴である。その証明として、AMGファンにはおなじみの組み立て担当者のサインを刻んだ専用プレートがエンジンルーム内に貼られる。
残る2機種は車名に「43」もしくは「53」とつくパワーユニットである。ともに縦置きFR系ユニットで、車名こそ4気筒の「45」を上回ったりもするが、技術レベルというか商品の“熱”は前記2エンジンよりも明らかに穏当だ。細部までAMG専用チューンだが、エンジン本体はハンドビルドによるものではない。
前者の43(の大半)は3リッターV6ツインターボで、2015年に「C450 AMG」として登場後に43と改名して幅広く搭載されるようになったエンジンだ。後者の53は今回の取材車も含めた最新型の3リッター直列6気筒に電動モーターのISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたハイブリッドパワーユニットである。
ちなみにAMG最新モデルとなる「AMG GT 4ドアクーペ」の場合は、同じ直6ターボ+ISGのまま、チューンちがいで「43」と「53」を用意する。なので、将来的にはほかの3リッターV6ツインターボも、直6ターボ+ISGに切り替えられていく予定と思われる。...