優雅さへの挑戦
ベースとなった「GLE」から、より長く、より幅広く、そして低められたボディーと、流麗なルーフラインが特徴的な「メルセデス・ベンツGLEクーペ」。3リッターV6搭載の「AMG GLE43 4MATIC クーペ」に試乗し、メルセデスの意図したところを探った。
小山のようにデカイ
その巨大なSUVのクーペを初めて見たのは、早朝の東京・丸の内だった。クジラのようにデカイ、と誰かが表現した。なるほどデカイ。 全長4890mm×全幅2015mm×全高1720mmもある。スタンダードのメルセデス・ベンツGLEより45mm低くて65mm幅広く、75mm長い。同類の「BMW X6」同様、小山のようにデカイ。
ヒヤシンスレッドのドアを開けると、純白のレザーシートの背もたれと座面の中央部分に、ベントレーもかくやのダイヤモンドステッチが入っている。オオッと思う。しかも、ヴァージンホワイト。テスト車には「designo(デジーノ)エクスクルーシブパッケージ」という54万円のオプションが装着されていたのだけれど、予算に余裕があれば、ぜひつけたい。誠に贅沢(ぜいたく)はステキだ。
運転席によじ登ると、横方向にうんと広い。アメリカンフルサイズといった趣がある。天井はちょっぴり低い。極太で、3時と9時の部分がスエードになったステアリングはスポーツカーさながらだ。
ふとルームミラーからリアビューを見ると、洞窟から出口を見たときのように後ろの景色がカマボコ型になっている。ファストバックゆえ、リアウィンドウからの視界が狭い。これぢゃバックできないかも……という心配はご無用だ。前後左右のカメラ映像の合成により、周囲の状況を360度映像で見せてくれるからだ。
後席もまた天井が低めではあるけれど、足元が広くて閉所感はない。クーペを名乗るものの、大人5人と荷物を運ぶ実用性を備えている。機能を犠牲にしている、という批判は当たらない。当たらないので、する人もいないでしょうけれど、リアのオーバーハングが伸びているからデパーチャーアングルが小さい、と言う“4×4マニア”はいるかもしれない。もちろん、このクルマでオフロードに行くほうが間違っている、と誰もが思うだろうから、そんなことを言う人はいない。...