スーパーちょうどいいホンダ
これまで1億台が生産された“小さな巨人”「ホンダ・スーパーカブ」。その誕生60周年の節目にデビューした「スーパーカブC125」とはどんなオートバイなのか? ホンダのこだわりがつまった小排気量車の魅力に触れた。
“脱・道具”のスペシャルモデル
試乗中、「あとちょっと」と思った点はひとつ。フロントフォークのストロークスピードが速すぎるため、もう少し減衰が効いていればハンドリングはより落ち着いたものになるのではないか、ということだ。
そして試乗後「どうせなら」と思った点も、やはりひとつ。各種スイッチには光沢のある塗装が施されているものの、それがコスメティックなごまかしに感じられてもったいない。できればスイッチそのものが、あるいはそのベースプレートやボックスがアルミだったなら、そこに触れるたびに気持ちが満たされたに違いない。
いずれもささいな事ではあるが、かなりの部分が専用設定、もしくは専用設計になっているため、もうひと越えしてくれれば文句なしだった。とはいえ、望むのはその程度でもある。それ以外は見ても乗っても和ませてくれたのが、ホンダから登場したスーパーカブC125である。
車名からも外観からも分かる通り、C125はスーパーカブのバリエーションモデルとして、2018年9月に販売が開始された。2018年はスーパーカブの生誕60周年にあたり、ホンダはそれを記念したモデルを展開。C125はその中でも特別な存在といえる。
それが分かりやすいカタチで表れているのが、39万9000円という車体価格だ。スタンダードモデルに相当する「スーパーカブ50」が23万2200円、「スーパーカブ110」が27万5400円なのだから、なかなかの割り増しである。
ただし、相対的には抜きんでて高価ではない。ホンダがラインナップしている6機種の125ccモデルのうち、最安価のスクーター「リード125」ですら30万円を超え、ロードスポーツの「CB125R」は45万円に迫る。
久しぶりにバイクの世界に触れた方は「たかが125ccにそんな価格はあり得ん」と驚くかもしれないが、排気量や馬力のヒエラルキーはあまり意味を成さず、このクラスだからといって役に立つかどうかも絶対的な基準ではない。
そう、C125が他のスーパーカブと一線を画するのはそこだ。あくまでも生活密着型の道具として存在していた既存のスーパーカブと異なり、ホンダはこれをパーソナルコミューターと定義。つまり、趣味のひと時を過ごす愛玩の対象に仕立てたのである。...