『すべての仕事を3分で終わらせる』の著者・岡田兵吾氏と、『速読日本一が教えるすごい読書術』の著者・角田和将氏が、シンガポールで特別セミナーを開催しました!速読を用いた情報収集、学びを加速させるインプットのプロフェッショナルと、優れた成果を次々と生み出すアウトプットのプロフェッショナルに共通しているのは、「スピード×効率化」。シンガポールセミナーレポートを4回に分けて、掲載いたします。第1回目は、角田和将氏の「すごい読書&速読術」です。
「速く読むこと」と「覚えること」は誰でもできる
突然ですが、100年は何秒でしょうか? 約31億秒(60秒×60分×24時間×365日×100年=31億5360万秒)です。なぜ、この話を最初にするかというと、睡眠時間を除く生活時間は、だいたい20億秒です。世界人口は76億人を超えています。1秒にひとり会っていっても、全員に出会えることはできません。シンガポールでこのように出会えること自体が奇跡です。
私は、帯広畜産大学を卒業しました。『銀の匙 Silver Spoon』(荒川弘著、小学館)を知っていますか? あの舞台になっている高校の隣にある大学で勉強していました。なぜ、そこで勉強をしていたかというと、国語が苦手だったからです。偏差値40。それに対して、数学は偏差値最高で86。受験当時、帯広畜産大学のセンター試験配分は国語の比重が少なく、かつ二次試験は英、数、理のいずれかを1科目選択だったので、私のような人にはピッタリはまる大学だったのです。
文学や言語学を専攻していたわけでもない私ですが、結果として、速読日本一になりました。
何が言いたいかというと、これまでの経歴、キャリアと速読ができることには関係がないということです。つまり、速く読むことと覚えることは誰でもできるんです。
本はじっくり丁寧に読むと、覚えられません。そう言うと、「速く読んでも覚えられない」と言う人が結構でてきます。そういう人にいつもこう質問します。
「じゃあ、遅く読んだら覚えられますか?」と。
本を1冊、読んだとします。たいてい、最初に書いてある内容は、覚えた瞬間から忘れていきます。速く読めば読むほど理解は劣るかもしれないけど、遅く読んだからといって、理解度が高くなるわけではありません。
「理解する」と「覚える」に関係性がない。速く読んでも遅く読んでも理解に関係ないなら、速く読んだほうがいいのです。
最初におすすめしているのは、1冊の本を3時間で1回読むよりも、1冊の本を3時間のあいだ、繰り返し読んでいくことです。
人間の脳は、何もしないとどんどん忘れていくものですが、読み返していくと、「こんなことが書いてあったな」と思い出せるようになります。そして、また忘れていきますが、もう一度読み返すと、また思い出せるようになります。繰り返しすることで、記憶を定着できるようになります。
遅く読んでいくのがダメな理由は、この「繰り返し」ができなくなるので、どんどん速く読んでいったほうがいいわけです。結果的に、定着度が上がっていきます。
忘れる前提でどう覚えるか。忘れないために繰り返し読んでいく頭をつくっていくことが、重要なのです。...