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なぜ日本人は読む過程で音読するのか
実際に速く読もうとしたとき、「覚えよう」と思うこと以外に、もう一つ弊害となる要素があります。
それは「頭の中で音声化してしまう癖」です。
文章を音声化すると、どうしてもそのスピードには限界があります。音声化は学生時代の国語の授業で、音読をしていたことが原因だと私は考えています。
先にも触れたとおり、特に幼少期における音読それ自体の教育は必要不可欠なものだと思いますが、速く読むことに関していうと、それはブレーキとして作用するのです。
文章そのものを見るスピードの限界と、それを音声化して再生しようとするスピードの限界を比較すると、音声化して再生するほうが遅いからです。
たとえば、この本の1ページを10秒ですべて読み切ることは難しくありませんが、その文章を早口で声に出して音読しようとしたら、1ページ10秒はおろか、20秒でも読み切ることは難しいでしょう。
人が聞き取りやすいペースで話したときに1分間に話す文字数の目安は300文字といわれています。3倍速のスピードで音読したとしても、この本の1ページを読み上げるのに30秒以上はかかってしまう計算になります。
もちろん、もっと速いスピードで音声を倍速再生することは技術的に可能で、今は音声を倍速再生するアプリも数多くあります。
ただ、2倍速くらいならば問題ないものの、4倍速、5倍速とスピードを上げていけばいくほど、音の途切れる部分が多く出てきてしまうのです。
たとえば会話の中にある「おかあさん、ありがとう」という文章を、倍速で再生していくと、「お、さ、り、う」というように、言葉が切れるような部分が出てきてしまい、意味を取ることができなくなるのです。
DVDやハードディスクレコーダーにも倍速再生の機能がついていますが、1.5倍速であれば音声と動画が両方とも再生されるものの、それ以上の速さに上げていくと、動画のみが再生され、音声は再生されなくなるものが一般的です。
このように、音読のスピードを速くしていくことには限界があるのですが、音声化せずに読んでいくことができれば、より速いスピードで読むことが可能になります。...