2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』が刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容を、抜粋・再構成して特別公開する。
我慢は続かない
「この新人は、なんで『当たり前』のことができないんだろう?」
「もっと『ちゃんと』やってほしいんだけど」
「なんでこんなことするの? 『普通』はこうするに『決まってる』でしょ」
職場で、そんな風に感じることがあるかもしれません。
この感じを放置すれば、火種は消えずに「実はあのとき嫌でした」とばかりに、優秀な人がひとり、またひとりと職場を去っていく、ということも。
小さな違和感にいちいち反応したくはない。しかしそこを避けると、いつまで経っても組織は良くならず、問題の表層をなぞるのに終始するのがオチです。
人それぞれが「正しさ」を生きている
そんな待ったなしの現状で、どうしたら部下が思いどおりに動いてくれ、チームとしての結果も出せるのか。バリバリ働いてやっと上の立場に就いたのに、まだこの地獄は続くのか。
これはもう、上辺だけのハウツーを授けている場合ではありません。
誰かが「正しくない」から問題が起きているのではなく、人によって「正しさ」が異なることを理解し合った意思疎通がおざなりにされているから起きている。
その真因を放置しているから組織が良い方向に変わっていかないし、働く人もないがしろにされてつらいのです。
それぞれが「正しさ」を生きている。
その双方の「正義」に橋をかけるようなやりとりはいかにすれば可能なのか?
ひいては、徒労感に苛まれ、働くことへの希望が持てない状況をいかに超えていくか?
誰の口も塞がない・存在の承認を基盤にした仕組み化が、兎にも角にも必要です。
組織は「1台の車」のように考える
私は、組織というのを「1台の車」にたとえて考えています。
組織の目標を達成するのに必要な要件があるとして、それをひとりがすべて満たしている必要はありません。
車は、アクセルやブレーキ、エンジン、タイヤというバラバラの機能があって初めて走行できるように、すべての機能を兼ね備えた完璧な人はいないし、そんなものを目指さなくていい。
みんなが同じである必要はなく、誰がどの機能を持っていて、どう組み合わせてやっていくか、ということがすべてなのです。