新時代の幕開け
「三菱デリカミニ」がフルモデルチェンジ。ただし、先代のデビューからわずか2年で……という期間も異例なら、見た目がほとんどそのままというのもまた異例だ。これで中身もそのままならさらに異例だが、こちらは逆に異例なほどの進化を遂げていた。
三菱自動車の英断
自動車というのはなんである。アイデアである。ということをあらためて思い知らされたのが三菱デリカミニである。2023年に発売されるや、キュートな外観とキャンディーズの往年のヒット曲『年下の男の子』の替え歌の元気なCMで、軽自動車界に旋風を巻き起こしたことは記憶に新しい。
デリカミニは2020年に送り出された「eKクロス スペース」のお仕立て直しバージョンである。そのeKクロス スペースは「日産ルークス」と共通の「eKスペース」の地上高を若干上げ、「デリカD:5」そっくりのダイナミックシールド顔を与えた三菱独自の、いわゆる軽スーパーハイトワゴンのクロスオーバーSUVだけれど、三菱ファン以外にはあまり注目されなかった……というのが実情だった。
三菱自動車はこのアイデアを諦めなかった。その読みがすばらしい。マイナーチェンジの際、テコ入れとしてダイナミックシールド顔を捨て、「ディフェンダー」風の、「デリ丸。」なるキャラクターが成り立つほど、激おこにも見えるファニーなマスクを与え、名称をデリカミニに改めた。フェイスリフト前のデザインのほうがそれこそデリカミニだったのに……。
ともかく、この改名は大英断だった。デリカは三菱を象徴する老舗ブランドで、ミニバンをSUV風に仕立てた先駆的モデルでもある。「パジェロミニ」という軽SUV、往年の呼び方だと軽RVをほうふつさせもする。eKクロス スペースの車名のままでは、『年下の男の子』をもってしても、難しかったのではあるまいか。
デリ丸。なるキャラクターもヨカッタ。ぬいぐるみだけでなく、ゆるキャラもつくって、「悪い子はいねぇが」と年越しキャンプ場めぐりをしても話題になりそうである。...