海外M&Aが増え、海外投資家比率が急上昇している昨今。「英語の決算書を読むスキル」の必要性がこれまでと比べてはるかに上がっています。しかし、ただでさえ難しそうな会計用語を英語で読むなんてとんでもない、と思う人も少なくありません。
そんな人に最適なのが新刊『【新版】英語の決算書を読むスキル』です。
実は、英語の決算書は「中学英語レベルの英単語」による勘定科目と、グロス、ネットといった「カタカナ英語」の2つを整理すれば十分理解できるのです。そんな「会計英語の勘どころ」や「会計で頻出の英単語」はもちろん、会計指標分析、成長率計算、百分率決算書といった「これでひととおり決算書を分析した」と胸を張って言えるツールまで全網羅。少しでも英語の決算書に触れる機会のあるビジネスパーソンは全員必携の書になりました。
今回はその中から、会計は英語で学んだほうが簡単である理由を紹介します。
会計は「英語」のほうがラクに覚えられる
私は、これまでビジネススクールや企業内研修で、数多くの学生・社会人に会計を講義してきました。そこで感じたのは、会計とかアカウンティングと聞くと、苦手意識を感じてしまう人がどうも多いことです。本書を手にされたあなたは、いかがでしょうか。
講義をしていて、時折ふと思うことがあります。
「あぁ、会計を難しくしているのは、日本語なんだな」
「英語で会計を学んでいれば、こんなことはすぐわかる話なのに……」
こう言うと意外に思われる方も多いでしょうから、まずは設問で例を示してみましょう。
実はこの設問は、私が受講生によく問いかけるものです。ビジネス経験のない学生だけではなく、ビジネスの最前線で活躍してきたビジネスパーソンも含めて、半分程度の方は答えを間違えてしまいます。
もし、あなたの答えが上に示したものだと、残念ながら間違えた半分の1人としてカウントされます。上記の思考も解答も、会計の世界では誤りです。
では、本当の正解はどうなるのでしょうか。同じ設問を、今度は英語でやってみましょう。
「売上原価」という言葉は、なんと難しい表現かといつも思います。会計アレルギーのある方に対して、日本語の会計用語には、ダメ押しのようにわかりにくい言葉がたくさん登場してきます。まるで「わかる人だけついてくればいい」とでも言うように。
英語で売上原価は「Cost of goods sold」と言います(図表5)。
売上原価と言われてピンと来ない人でも、「Cost of goods sold」と言われてわからない人はいないはずです。そのまま読んで「売れたグッズのコスト」。つまり、売れた3本分のペンのコストとして、240円となるのです。「Cost of goods purchased」(買ったグッズのコスト)ではないのですね。
売上原価という言葉も、よくよく見ると、「売り上げた分の原資となっている価値」、つまり「Cost of goods sold」という表現になっていることに気づきます。でも、漢字をじっくりと見ればようやくわかる話であって、口頭で言われてすぐに理解できるものではないですね。