未知との遭遇
「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
全モデルの電動化が完了
いわゆるスーパーカーを取り巻く未来は、少なくとも10年前と比較すれば明らかに混沌(こんとん)としている。それは経済や環境などの社会情勢などもさることながら、その環境に端を発しての電動化の波が自動車業界全体を覆い、それにまつわる選択肢が驚くほど多様化しているからだ。
大枠ではフォルクスワーゲングループにいるランボルギーニも例外ではなく、電動化を積極的に自らの商品力へと転化すべく開発を重ねてきた。2021年に発表された商品展開の中期計画となる「コルタウリ」では、2024年末までに全ラインナップの電動化とともにブランニューのモデルを電気自動車(BEV)として2020年代後半までに開発するとされているが、現時点でその計画はおおむね予定どおりに進んでいる。
2023年のモントレーカーウイークで発表されたBEVのコンセプトカーである「ランザドール」の上市は2028年から2029年と1年延期されたが、SUVの「ウルスSE」もフラッグシップの「レヴエルト」も、そしてこの最も好戦的なポジションとなるだろうテメラリオも、既にプラグインハイブリッド化を完了させた。気づけばフルラインナップでxEV化を果たしていたのが最もぼーぼーに油を炊いていそうなランボルギーニという冗談のような事態が起きている。これを混沌と言わずして何と言おうか。
でも、そこはランボルギーニだ。自らの足かせのためにわざわざモーターや電池を積んで音もなく走ることだけを商品価値として訴求することはない。むしろそれは副次的な能力、オマケのようなものだ。本丸として控えるのは内燃機の不得手な領域をカバーするパワーサプライとしての役割だ。その端緒として、極めて限られた台数が頒布される、彼らが言うところの「フューオフ」、つまり極少量生産のスペチアーレにあたる「シアンFKP37」が、スーパーキャパシタを搭載したハイブリッド車として2019年にデビューしている。...