水素が磨いた上質と洗練
いよいよ公道を走りだした、ホンダ最新の燃料電池車「CR-V e:FCEV」。燃料電池車とプラグインハイブリッド車の特徴を併せ持つという一台は、どのようなクルマに仕上がっているのか? 最新世代のFCスタックの特徴は? 実際にハンドルを握って確かめた。
GMと共同開発した最新のFCスタックを搭載
今やホンダの世界戦略車の筆頭銘柄へと成長したCR-V。その6代目となる現行モデルが登場したのは2022年だが、母国の日本ではなぜか販売されることはなかった。代わって導入されたのが「ZR-V」というわけだが、こちらはアメリカでは「HR-V」として販売されている。そのHR-Vは中国では日本版「ヴェゼル」がベースで……と、ホンダのSUVラインナップは、世界的にみると商品名も含めて散らかりまくっているのが現状だ。
これもまた、リージョンごとの裁量権が重んじられていた“六極体制”の残滓(ざんし)だろうか……。と嘆きから始まってしまったが、6代目CR-Vは発表から2年遅れて、FCEVにしてPHEVというなんともリッチなパワートレインを搭載しての日本導入と相成った(参照)。そして車体は売り切りではなく、リースというかたちを採る。
ちなみにCR-V e:FCEV(以下e:FCEV)の生産キャパシティーは年間約600台を想定しており、現状の販売地域は米国西海岸と日本になる。FCスタックはゼネラルモーターズ(GM)との合弁となるFuel Cell System Manufacturing, LLCで製造。ミシガン州の工場からホンダのオハイオ州メアリズビル工場に隣接したパフォーマンスマニュファクチャリングセンター(PMC)に送られ、アッセンブリーされる。
取材した2024年11月上旬時点での国内受注台数は63台。うち15台は個人事業主、10台は個人での契約だという。また登録希望が年度末や決算期などに偏る一般法人や官公庁へのセールスは、車両登録が完了したこれからになるそうだ。そういえば2024年9月に北海道の鷹栖テストコースで乗る機会のあった車両(参照)は、上陸ホヤホヤで台数も少ないということで、かなり丁重に扱われていたことを思い出す。もともと「NSX」の生産用に設(しつら)えられたPMCを使っているということは、恐らくe:FCEVも大半が手づくり的な工程になっているのだろう。...