過ぎたるは猶及ばざるが如し
今や希少な国産FRスポーツカー、すなわち「トヨタGR86」と「スバルBRZ」がそろってマイナーチェンジを敢行。前回の改良から間がないが、今回の主なメニューもまた「走行性能の進化」である。雨の富士スピードウェイでプロトタイプモデルを試した。
矢継ぎ早のマイナーチェンジ
最初は何かの間違いだろうと思った。何しろ、GR86とスバルBRZは2023年9月にかなり大規模なマイナーチェンジを受けたばかりだ。しかも発表は9月22日だったが、発売は同年11月。いち早くニューモデルを紹介するのが仕事のわれわれでも、MT車にも「アイサイト」が備わった改良型GR86(参照)に試乗したのはつい先日のことなのである(webCG掲載は2024年4月)。それから3カ月でまたもマイナーチェンジとは「?」となるのも当然だろう。
ついでにちょっと復習しておくと、現行型のGR86/BRZにモデルチェンジしたのが2021年10月(BRZは同年7月)、翌2022年初夏に細かな改良(ライトスイッチなど)を受けてスバル流の呼称ではA型からB型に移行、そして2023年9月のマイナーチェンジで登場したのがC型、つまりモデルチェンジからほぼ3年で今回のD型まできてしまったことになる。何とも慌ただしいというか自由奔放というか、社会の常識でいえばコストや手間暇の理由からこれほど頻繁な変更は認められないと思うのだが、こだわりのGRはやはり特別扱いということだろうか。
より良いものを追求する年次改良といわれれば反論は難しいのだが、まだC型の納車待ちの方も少なくないと思われる。そんなユーザーにはどう説明すればいいのか心配にもなる。これぐらいの短期間ならば、もう少し何とかできなかったのか、と首をかしげたくなるのが正直な気持ちだ。開発生産やディーラーの現場だって、これほど目まぐるしいのは勘弁してよと言いたくなるだろう。もっとも、詳細な話までは聞けなかったが、モデルイヤーごとに微妙に変わる北米向けモデルのOBD要件に適合させるという背景もあったらしい。...