ずぶとくてあたたかい
欧州では今や電気自動車の主戦場となりつつあるBセグメント。エアバンプで話題を呼んだ現行世代は今もシトロエンの販売全体の30%を占めているというから、「C3」のフルモデルチェンジは相当に難易度の高い課題だったはずだ。オーストリアで新型のステアリングを握った。
BセグメントのBEVとして野心的
現行型の「あざとかわいい」デザインが鮮烈だったぶん、画像で見ていたころはハンサム顔かつシリアスになりすぎたように感じていたが、新しいC3のたたずまいはずっとソフトな雰囲気だった。ユーモア/ボールドのパラメーター上で後者に振ってきたことが分かる。シトロエンらしくない。という声も聞かれるが、実車を確かめた今、この踏ん張り感のある姿勢や新モチーフの軽快な効果、バランス感を知ると、これがシトロエンでなければ何が? という気になる。「らしさ」を新しく表現したデザインであることに、いたく納得がいくのだ。
ついでにいえば、CM動画が面白カッコいい。映画『マリー・アントワネット』的なシャトーと貴族の世界に、突如デヴィッド・ボウイの曲にのせてC3が乱入して、「EVはもはやエリート層だけのものではない」というキャッチコピー。まんまフランス革命モチーフの動画というだけでなく、クルマがジャンプしているCMという意味でも久しぶりで、「安心安全」ばかりが売りになるわが国とはえらい違いだ。花火を手に暴徒がC3と並走する映像を、リアルな暴動がかなり頻繁に映るニュース専門チャンネルに出広できる神経にも、「自由の太さ」が違うことを思い知らされる。...