ベンチマークは揺るがない
世界的な人気を誇るBMW製アドベンチャーのフラッグシップが、「R1300GS」へと進化。エンジンもシャシーもすべてが刷新されたニューモデルは、どのような走りを備えているのか? 誰もが認める大型アドベンチャーのベンチマーク、その実力をリポートする。
大型アドベンチャーの絶対王者
BMWモトラッド(以下、BMW)のニューモデル、R1300GSの発表会場において、ある資料がスクリーンに投影された。一般にビッグクラスに分類されるアドベンチャー、すなわちオン/オフ兼用ツアラーの世界シェアを、モデル別に表したものだ。それによると、2022年は同社の「R1250GS」シリーズが全体の60%を占め、その後に「ドゥカティ・ムルティストラーダ」(9%)、「KTM 1290スーパーアドベンチャー」(9%)、「ハーレーダビッドソン・パンアメリカ1250」(8%)、「トライアンフ・タイガー1200」(8%)と続く。
ごく簡単に言えば、「GSとその他大勢」、あるいは「GSか、それ以外か」という様相であり、この現象は今に始まったものではない。ブランドイメージからすると、ドゥカティやハーレーダビッドソンはむしろ大健闘と評していい。ただし、資料の片隅には「※実際の登録台数はこれよりも10%ほど高い可能性があります」とも記されていた。つまり、「あんまり深追いはしてないけれど、精査すると70%くらいまでいってるかもね」という意味である。BMWは同年、世界で20万2895台の二輪を販売し、このうちの約6万台がR1250GSシリーズというから、同社のなかでも他のモデルを圧倒している。
ともかく、このカテゴリーにおいてGSが強いのは間違いない。これに対し、ドゥカティは多彩なバリエーションとスポーツ性、KTMはコンペティション由来の高い機能性、トライアンフは扱いやすさに秀でたエンジン特性といったメリットを武器に、多勢に組み込まれることをよしとしない層をフォロー。そしてハーレーダビッドソンは、日本法人に限っていえば、2023年9月に大幅な価格改定(60万円超の値下げを上位グレードに適用)を行うなどして、GS一強体制に多少の歯止めをきかせている。...