大人のハンドリングマシン
ステランティスグループのなかで、いち早くEVブランドへの移行を打ち出したアルファ・ロメオ。そんな電動化改革を推進するイタリアの名門が初めて市販化した「トナーレ」のプラグインハイブリッド車(PHEV)で郊外に向かった。電動アルファの走りやいかに。
名門の強みをフル装備
毎月のように新しいコンパクトSUVが発表されるご時世ではあるけれど、トナーレはライバルたちに埋もれることなく、パッと見た瞬間にアルファ・ロメオだとわかる。
2002年のジュネーブモーターショーでお披露目されたコンセプトカー「ブレラ」を思わせる片側三眼のヘッドランプ、逆三角形のフロントグリル、そしてミラノの紋章とヴィスコンティ家の家紋を組み合わせたエンブレム。この3点セットで、有無を言わせずにアルファ・ロメオだと理解させるあたり、名門は強い。ちょっとズルい、と思う。
正式なミラノの紋章は、赤十字の上に王冠、下に月桂(げっけい)樹が描かれているから、赤十字だけのアルファ・ロメオのエンブレムは「ミラノの紋章」ではなく「ミラノの旗」と書くほうが正確ではないか、という意見もある。というようなささいなことを、いいトシをした大人が真剣に語り合えることもまた、名門の強みだ。
すでに報道されているように、ステランティスという巨大な自動車メーカーのなかで、アルファ・ロメオというブランドがまずフル電動化に向けて舵を切ることが決まっている。その第1弾がトナーレで、日本市場にはまずマイルドハイブリッドシステムを搭載したFFモデルが導入された。
続いて日本にやって来たのが今回試乗するプラグインハイブリッドシステムを搭載する4輪駆動モデル「トナーレ プラグインハイブリッド」だ。アルファ・ロメオにとって外部充電システムを備えた市販車はこれが初だという。
アルファ初のSUVとして鳴り物入りでデビューした「ステルヴィオ」は全長が4690mm、ホイールベースが2820mmだったけれど、トナーレはそれぞれ4530mmと2635mm。サイズが異なるだけでなく、ステルヴィオがエンジン縦置きのFR用プラットフォームを採用したのに対して、トナーレはエンジン横置きのFF用プラットフォームだから、クルマとしてのキャラもかなり違うことが予想される。で、キャラの違いは意外なものだった。...