“真ん中”が特等席
トヨタが誇る高級ミニバン「ヴェルファイア」のショーファードリブン仕様「エグゼクティブラウンジ」で、東京-河口湖間のツーリングを敢行。このクルマの特等席であり、ビジネスパーソンが最も気にするであろう2列目キャプテンシートの出来をリポートする。
ショーファードリブンを再定義した立役者
自動車かいわいでの直近の大きな話題といえば、「トヨタ・センチュリー」のバリエーション追加(参照)だろう。
出張で発表会に立ち会うことはできなかったが、第一信を見てピンときたのは、これは現代的な礼式的装いと人間工学的な乗降性や居住性との擦り合わせを図った揚げ句、かつて馬に引かせていたコーチのような上屋が今日的に再定義された、そんなものだろうということだ。
「e-Four」とはいえ一応四駆だし、SUV的なまね事もできるのかもしれない。が、主目的はあくまで賓客を運ぶこと。その挑戦的なコンセプトが形になると、馬車から自動車への端境の時代と体躯(たいく)が重なって見えるというのも不思議なものだ。
ともあれクルマ好きとしては、工匠や様式美といったセンチュリーが築いた日本の自動車文化が途切れないことだけでもありがたく思いたい。今やそんな方面でウンチクが語れる対象なんて、イギリスやドイツのごく一部の銘柄のみだ。アメリカもフランスも、そのフィールドからは去っている。
トヨタにおいては、皇室への献上的意味合いや技能継承という文化的側面で成り立っているものであり、もうけは度外視だろうセンチュリーに、ここまで大胆な冒険をさせた背景には、まず「クラウン」や「カローラ」と同じく、銘柄の存続に対する創業家の思いの強さがあるのだと思う。
とともに、開発現場においては自分たちがショーファードリブンを再定義してきたという自負がその挑戦を後押ししたことも想像に難くない。つまりこれは、海外でも認知されつつある「アルファード/ヴェルファイア」=アルヴェルが築いてきたものによって導かれたと言うこともできる。...