これは目が離せない!
新世代マセラティの象徴たるスーパースポーツ「MC20」のオープントップバージョンに試乗。その走りはフェラーリやポルシェ、マクラーレンなどとはひと味ちがう、独自のドライビングプレジャーに満ちていた。
空にこだわるスーパースポーツ
MC20は「100%メイドinモデナ、100%メイドinイタリー」をうたう。親会社の旧フィアット・クライスラー・オートモービルズがフェラーリとたもとを分かったことを受けて、新生マセラティの象徴として、MC20は開発された。フェラーリの本拠もマセラティと同じモデナ県なのだが、冒頭のキャッチフレーズは“全身がマセラティ自社開発”を意味する。
もっとも、MC20が最初のクーペと今回の「チェロ」、そして電気自動車版の「ファルゴーレ」を同時並行で開発されて、しかも24カ月という短期間でカタチになったのは、クルマの核心となるカーボンモノコックの設計や空力の開発を、レーシングコントラクターにして開発請負会社でもあるダラーラが分担したからでもあろう。ちなみに、ダラーラの本拠はモデナ県の隣のパルマ県だから“100%メイドinモデナ”は誇張ありでも“100%メイドinイタリー”は、まあ正しい。
オープン仕様のMC20の呼称が「スパイダー」ではなく、イタリア語で空を意味する「Cielo=チェロ」なのは、片道12秒で開閉する電動リトラクタブルトップに加えて、クローズド状態でも“空”を楽しめる特殊なガラストップを備えるからだ。このガラストップはPDLC=高分子分散型液晶になっており、通常の曇りガラス状態から一瞬にして透明に変わる。
そんな追加機能があっても、アルカンターラとカーボンで包まれたインテリアに追加のハードスイッチはないのが、いかにも今っぽい。トップ機能(と電動リアウィンドウ)の操作はすべてセンターのタッチパネルでおこなう。リトラクタブルトップの開閉は「スパイダー」モード、ガラストップ透過率の切り替えには「チェロ」モードなる呼称が与えられている。リトラクタブルトップは50km/hまでなら走行中も開閉可能だが、けっして大きくはないタッチパネル上のポイントを、走行中に指先でぴたりと差し当てるのは練習が必要かも……。...