懐古主義にあらず
「X3 M」や「X5 M」があるのに、なぜこれまで「M3」にはワゴンがなかったのだろうか。その理由は分からないが、BMW Mのメモリアルを祝うモデルとして、めでたく「M3ツーリング」がデビューした。最高出力510PSを誇る快足ワゴンは、ドライバーにどんな世界を見せてくれるのだろうか。
Mの創立50年を記念する一台
ヴォンッ! センターコンソールのスターターボタンを押すと、間髪入れず、レーシーなサウンドを発して、6気筒エンジンが目覚める。古典的ガソリンのいななき。その迫力あるサウンドと振動に、スッゲー……と思わず口から漏れる。
着座位置は地をはうように低い。SUVがスタンダードになっているこんにち、乗り込んだ当初はとりわけそう感じる。これまた古典派になりつつある大きなシフトレバーをDレンジに入れて走りだすと、後ろに広い荷室を持っていることをすっかり忘れる。知らなかったなぁ。M3にツーリング、すなわちワゴンがこれまでなかったことを。ツーリングは「M5」にしかなかったんですね。
正式名称はちょっと長い、「M3コンペティションM xDriveツーリング」。ま、考えてみたら、M3セダンに「M4クーペ/カブリオレ」という兄弟だって、ツーリングから前は同じだから、特別長いわけではないけれど。って、細かい話は置いておき、史上初のM3ツーリングのワールドデビューは2022年、毎年6月に開催される英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードが舞台だった。BMW Mの創立50年を記念する一台として登場し、ニッポンでは2023年1月から販売されている。グレーのボディー色がステキなこの個体は4月に登録されている。...