しつけの良さがにじみ出る
マイナーチェンジが施された「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に試乗。多くのライバルを従えて、今なお普遍的ベンチマークに君臨し続ける理由とは? その進化の度合いとともに確かめた。さらにホットモデルのちょい乗りリポートもお届けする。
すべてがきちんとしている
例えば食事の作法とか、脱いだ靴を端にそろえておくといったような日常のしぐさにしつけの良さがさりげなく表れることがある。無理しているのではなく、ごく当たり前に普段から行っているかどうかも分かるものだ。その良家の子女的お行儀の良さと真面目さが何だか退屈、つまらないと言われることもあるようだが、ゴルフはそんなことを気にする必要はないと思う。言いたい人には言わせておけばいい。確かにフォルクスワーゲン(VW)には「ロータス・エリーゼ」のような車は作れないかもしれないが、ロータスにもゴルフは作れっこない。
すっきり雑みのない爽やかさは、走りだして最初にステアリングホイールを切った瞬間に実感できる。握りやすいステアリングのリム形状、しっとりしたレザーの感触、指がしっかりと引っかかるが滑らかで気にならないステッチなど、すべて適切で丁寧な工作精度が伝わってくる。今回のマイナーチェンジはデジタル化と安全装備の充実が主体で、パワートレインやサスペンションなどのメカニズムには変更がないということだが、上質さにさらに磨きがかかっているように感じるから不思議である。山道を登っても過不足のないパワー、スムーズで切れのいい変速、フラットな乗り心地など、不満を感じる点が見当たらない。MQBプラットフォームを初めて採用した現行ゴルフに対してコストをかけすぎと批判する人もいたが、結果としてデビューから5年たった今でもCセグメントのベンチマークの座が揺るがないのは、最初の目標設定が間違っていなかったことの証しではないだろうか。...