職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。
気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか?
この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきた『気づかいの壁』の著者、川原礼子さんが、「気がつくだけの人」で終わらず、「気がきく人」に変われる、とっておきのコツをご紹介します。
さりげない「下調べ」をしよう
あなたは、仕事関係の人と会う前に、「下調べ」をしているでしょうか。
営業職であれば、事前に調べた顧客情報が契約の決め手の1つになります。
そんなに時間をかけて調べたことでなくても、ちょっとしたことに触れるのは、大事な気づかいです。
たとえば、メールアドレスも情報源の1つです。
企業によっては、@マーク前を本人の自由にさせてくれるところがあります。
たとえば、「divareiko1025@○○○.com」であれば、「diva(歌姫)」なので、歌うことが好きな10月25日生まれのレイコさんと想像できます。
合っていないかもしれませんが、雑談のネタには使えそうです。
ただし、情報を持っていても、「私はあなたをこんなに知っていますよ」ということをアピールしすぎるのは無粋です。
最初のうちは嬉しくても、あまりにそれが続くと、「あざとさ」が見えてきます。
あるいは、その会社の社員すら知らない商品情報や企業情報を、知識オタクのように持ち出すようなことも避けましょう。
面接のような場ではそれもアピールになるかもしれませんが、通常業務でやりすぎるのはNGです。
「気になったんですが、〇〇さんって歌をやっていらっしゃいませんか? 星座はさそり座ですよね? divaってもともとイタリア語で女神という意味らしいですね」
などと、知識のマウンティングをされると、ちょっと引きますよね。
「知ってることの2割くらい」がベスト
情報を持っていても、それらはあくまでストックです。
相手が関連することを話してきたときに、さりげなく取り出して共有するくらいがちょうどいいのです。
もしくは、最初の雑談のネタや沈黙して困ったときに使う程度でOKです。
たとえば、相手の会社が福岡に支店を持っていると知っていたとします。
そこで、相手のほうから「鹿児島にも支店を出す」という話をはじめたとします。
その場合も、次のように、相手の話に関連させながら、さりげなく情報に触れるだけでいいのです。
相手「実は、来月鹿児島にも支店を出すんですよ」
自分「鹿児島ですか、いいですね。あ、たしか、御社福岡にも支店をお持ちでしたよね? それは新幹線のアクセスがいいですね」
逆に、調べたことをすべて言おうとするのは、やめましょう。
用意したネタの8割くらいは披露しなくてもいいのです。
準備アピールではなく、あくまで目の前の人と気持ちよく会話することを目的に考えましょう。