仏像や仏画で私たちが目にしているご神仏のお姿や手に持っているもの、表情などには、それぞれのご神仏が持つご利益などに関連した意味があります。それらの意味を知ることで、今ある願いに最適なご神仏により深く祈ることができるようになります。
ここではそんなご神仏それぞれのご利益などについて、嵐山晶さんの著書『願いをこめて、心身を整える ご神仏なぞるだけ瞑想』から、嵐山さんの繊細で美しいご神仏の「なぞり絵」イラストとともに紹介します。
観音菩薩の根本とされる
「聖観音菩薩」
観音菩薩(かんのんぼさつ)は人々の願いに応じて33の姿に変じて救済することから、ありとあらゆる功徳を持つとされてきました。日本では、地蔵菩薩と並んで、古くから絶大な信仰を集めてきた仏様です。
あらゆる姿に変化する観音菩薩の根本とされる聖(正)観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)は、この絵のように、よく未敷蓮華(みぶれんげ=蓮のつぼみ)を持つ姿で表されます。
蓮華のつぼみを咲かせて
人を悟りへと導く
左手で蓮華を持ち、右手は未敷蓮華に手を添えているように見えますが、実は花弁をつまんで開こうとしている様子を表しています。
蓮華の種(たね)は私たちの心にある菩提(ぼだい=悟りの境地)であり、聖観音菩薩は、心の種を咲かせぬまま煩悩(ぼんのう)にまみれた私たちを悟りへと導くために、つぼみを咲かせようと示しているのです。
多くは美しく優しい
女性の姿で表現される
如来(にょらい)、菩薩、明王(みょうおう)には性別が定められていません。しかし観音菩薩は、この聖観音菩薩のように女性の姿で表現されることもあります。
日本には、本当に多くの観音菩薩像が祀られていますが、どの像も現代の感覚に通じる美しさや優しさを持っていると感じます。
※本稿は、嵐山晶・著『ご神仏なぞるだけ瞑想』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。