“曲がり”がちがう
歴代最強をうたう「フォルクスワーゲン・ゴルフRヴァリアント」が上陸。最高出力320PSのパワーユニットと刷新・強化された4WDシステム「4MOTION」を搭載する、ホットなステーションワゴンの走りをワインディングロードで確かめた。
ハイテク満載の新4WDシステム
「R」はいわずとしれた最強のゴルフだ。伝統的なホットハッチの「GTI」が前輪駆動を守って、それゆえ「EA888」型エンジンも最高主力245PS、最大トルク370N・mにあえて寸止め(?)されるのに対して、その性能が素直に解放されるゴルフRでは同300PSと同400N・mの大台を超える。新型RのエンジンもGTIに続いて「evo4」に世代交代となり、燃料噴射の高圧化などの工夫で実燃費を向上(先代ではJC08モード燃費しか公表されていないので直接比較はできないが)させつつも、最高出力で10PS、最大トルクで20N・mの上乗せを達成した。
新型ゴルフRの技術要素の大半は、このエンジンを含めて先代からの正常進化といっていいが、従来とは別物に刷新されたポイントがひとつある。それは4WDシステムだ。
従来型はフロントからのトルクをセンターの電子制御油圧多板クラッチを介してリアのデフギアに伝えていた。つまり、一般的な電子制御オンデマンド型4WDだ。対して、「Rパフォーマンストルクベクタリング」と称する新しい4WDはセンターのクラッチや通常のリアデフをもたず、プロペラシャフトとベベルギアで後輪を直接駆動する構造となっている。ただし、左右後輪にはそれぞれ電子制御油圧多板クラッチが配されており、そこでトルク伝達を自在に変えることができる。たとえば、右後輪に全トルクを集中して、反対の左後輪は完全フリー……なんて芸当も可能なわけだ。
ちなみに、同システムは先に発売された「ティグアンR」にも搭載されており、グループ内の「アウディRS 3」が使う「RSトルクスプリッター」もモノ自体は同じである。さらにいうと、「メルセデスAMG A45/CLA45」の4WDもこれと同タイプだし、かつての「日産ジューク16GT FOUR」に搭載されていた「トルクベクトル付きオールモード4×4-i」も、クラッチ部分の構造には少しちがいがあれど、基本原理や構造は共通だった。...