理詰めの世界に疲れたら
2020年のデビュー以来、欧州ではすでに6万台以上が販売されたという「フィアット500e」。スペックが飛び抜けて優れているわけではないが、それでもこのクルマがよく売れるのは必然であり、それは眺めてみればすぐに理解できる。オープントップモデルの仕上がりをリポート。
もはや無双のエクステリアデザイン
フィアットのオリヴィエ・フランソワCEOは「われわれは義務感からクルマを買うわけではない。欲しいから買うのだ」と話し、電気自動車(EV)であろうとなかろうと、成功させるにはまずそのクルマが魅力的でなければならないという。それな!
われわれは過去にEVとして優れた性能をもちつつ、売れない車種をちらほら見かけてきた。そしてその度に欲しくなるクルマじゃないと売れないという大原則をかみしめてきた。特にEVは現時点ではユーザーにこれまでのICEとは異なる使い方を強いる。そのぶん、EVという項目以外の部分で、その面倒くささや不安を凌駕(りょうが)する魅力が求められるのだ。もちろん給油生活より充電生活のほうが便利でハッピーだという人はEVへまっしぐらでよいと思う。
例えば今回のフィアット500eのように、問答無用でスタイリングが魅力的であるとか。もうとっくに見飽きてもいいころのファニースタイリングは、あまりにグッドデザインすぎるため、見飽きるとかそういった次元を超え、完全に定番化している。定番化とは、一定数が見飽きたとしても、他の一定数がまだ見飽きていなかったり、いったん見飽きたけど一周してまた魅力的に見えている一定数がいたりして、常に一定数の誰かを魅了する無双状態のことだ。...