エブリデイ・スポーツカー
マイナーチェンジを受けた「アルピーヌA110」が上陸。よりパワフルなエンジンを搭載し走りを磨いた「A110 GT」と、エアロパーツを初採用したハードな足まわりの限定モデル「A110 Sアセンション」に試乗し、フレンチロケットの進化を探った。
マイナーチェンジでブラッシュアップ
2017年3月にグローバルデビューし、2018年6月に日本導入が開始されたアルピーヌA110。2021年12月31日までの販売台数はグローバルで9586台、日本で809台と好調だ。デビュー時に取材したところ、仏ディエップ工場の生産キャパシティーは年産2500台程度。工場自体にはまだ余裕があるが、スポーツカー用の特別なパーツ等を少量生産で請け負ってくれるサプライヤーを多く開拓し、そちらのキャパシティーを増やすのがかなり難しいとのことだった。2020年までは2500台/年に届いていなかったが、知名度も上がってきて2021年には2500台/年を超えている。現状ではフルキャパといったところだろう。
そのA110が初のマイナーチェンジを受けた。タイムレスで評判のいいデザインには手を入れず、高性能仕様のエンジンをさらにパワーアップ。「Android Auto」と「Apple CarPlay」に対応したインフォテインメントシステムの採用に加え、グレード体系の変更がなされている。
エンジンは、標準仕様が最高出力252PS/6000rpm、最大トルク320N・m/2000rpmと変更はないが、高性能仕様は従来の最高出力292PS/6420rpm、最大トルク320N・m/2000rpmから同300PS/6300rpm、同340N・m/2400rpmへとスープアップされた。
従来の高性能仕様は、標準仕様と最大トルクは同じままに高回転化してパワーを稼いでいた。ゲトラグ製DCTのトルク容量がいっぱいだったからだが、今回はDCT内部のシャフトやクラッチなどを強化することでトルクアップが可能になったという。0-100km/h加速は、標準仕様で4.5秒、従来の高性能仕様が4.4秒なのに対して、新しい高性能仕様は4.2秒にまで短縮されている。
これまでは標準仕様のエンジンを搭載するモデルがスポーティーな「A110ピュア」とグランドツアラー的な「A110リネージ」、高性能仕様エンジンと強化シャシーでサーキット走行まで見据えたのが「A110 S」というグレード体系だったが、新型は「A110」(従来のピュアに相当)、「A110 GT」(従来のリネージに相当)、そしてA110 Sの3モデルに改められた。強化シャシーはシャシースポール、標準はアルピーヌシャシーと呼ばれる。...