天にも昇る気分
2025年にピュアEV専用ブランドとなるジャガー。最高出力450PSを誇る5リッターV8搭載の「Fタイプ コンバーチブル」に乗り、歴史の表舞台から去りゆくハイパフォーマンスエンジンと、オープンボディーが織りなす走りを味わった。
このV8は気持ちがいい
排気量5リッターのV8スーパーチャージドエンジンを積む「ジャガーFタイプR-DYNAMICブラック コンバーチブルP450」に試乗しながら、いまこそFタイプに乗るべきタイミングではないかという思いが湧いてきた。クルマ好きのなかには、いやいや、なんで2012年に発表されたFタイプをいま買うの? と疑問をお持ちになる方もいるでしょう。
しかしですね、かつての英国貴族は、新品でぴっかぴかのジャケットや靴はカッコ悪いからと、1年ぐらい執事に身につけさせて、いい感じにクタッとしたところで自分が使ったというじゃありませんか。そのセンでいけば、デビューしたばっか、湯気が出るほどほっかほかのニューモデルに飛びつくのは英国紳士らしくないといえるのではないか。デビューから10年を経て、湯気も収まり、街を走ってもアッと指をさされることもなくなったいまこそ、Fタイプに乗る好機だ。
もうひとつ、心を震わせるようなV8エンジンを新車で買える最後のチャンスかもしれない、という理由もある。ご存じの方も多いように、ジャガーは2025年にはフルEVブランドに移行すると発表している。プロレスの大仁田厚選手は7回引退したけれど、ジャガーがこれからの3年で、「やっぱりもう一回エンジンのリングに上がります」と発表する可能性は低い。したがって、これがジャガー最後のV8エンジンと見て間違いないだろう。
これはまったくのヨタ話ですが、知り合いの中古車ショップオーナーは、「低金利で為替や株の相場も不透明ないま、優れたエンジン(車)こそ間違いのない投資対象である」と豪語していた。確かに、ちょっと古いクルマの一部が高騰している様子を見ると……、という投機目的とは関係なく、このV8は気持ちがいい。...