純度100パーセント
かつて基本構造を共有していた「1シリーズ」がFF化を敢行したのに対し、新型「2シリーズ クーペ」では、小型車には今や貴重なFRレイアウトが守られた。2リッター直4ターボエンジンを搭載した「220i Mスポーツ」の仕上がりをリポートする。
ハチロクみたいに生き残る
BMW初のエンジン横置き前輪駆動車=FF(とそれベースの4WD)車として2014年にデビューした「アクティブツアラー」が2シリーズを名乗ったのを皮切りに、翌年には同社初のミニバンが同じ2の「グランツアラー」として追加。続いて「1シリーズ」もFF化されたかと思ったら、直後には、その4ドア版「グランクーペ」が2シリーズとして登場した。
そうなると「このぶんでは2ドアクーペもFF化されるか、もはや生産終了か……」と早合点して涙したファンも多かったと想像される。しかし、実際の新型2シリーズ クーペは伝統の後輪駆動=FR(とそれベースの4WD)を守りながら生き残った。
この展開を、日本の中高年クルマオタクは「ハチロクみたい」と思ったかもしれない。ここでいうハチロクとは、現行「GR86」の元ネタにして1983年〜1987年に生産された「トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ」の(高性能グレードの)型式名≒俗称である「AE86」のことだ。同世代の5代目カローラ/スプリンターがシリーズ初のFF化に踏み切ったのに対して、クーペ版のレビン/トレノだけがFRレイアウトを固持した点は、なるほど今回のケースに似ていなくもない。
ただ、AE86は旧来のメカニズムを継続していたが、このクルマは全身が新しい。その基本骨格となっている「CLAR(クラスターアーキテクチャー)」は「7シリーズ」から今回の2シリーズまでの幅広いサイズに対応するモジュラー構造のFRプラットフォームである。
そのうえで、2シリーズ クーペでは軽量高剛性の車体構造などにスポーツカー「Z4」との、アルミを多用したフロントサスペンション周辺には「4シリーズ」との共通部分が多いという。そして、インテリアの基本デザインはご覧のように「3シリーズ」や4シリーズと共通である。生産は2019年に操業開始した最新鋭のメキシコ工場が全数を担当する。...