これは序章にすぎない
トヨタのミドルサイズミニバン「ノア」がフルモデルチェンジ。国内市場でライバルとし烈な競争を繰り広げるトヨタ・ミニバン製品群の基幹車種は、新型でいかなる進化を遂げたのか? 自慢のハイブリッドシステムを搭載した最上級モデルで確かめた。
国産ミドルサイズミニバンが一斉に世代交代
トヨタの「ノア/ヴォクシー」のような限りなく5ナンバーサイズ級の、近ごろはMサイズ級とも呼ばれる3列シートミニバンというのは、軽のスーパートールワゴンと並ぶ日本の固有種だ。入国規制緩和や円安も追い風に、ようやくインバウンドも回復し始めそうだが、クルマ好きの外人さんにしてみると、これらのクルマは興味引かれるエキゾチックな存在らしい。YouTubeをまさぐると、彼らが喜々としてそれらを紹介する映像が次々に現れる。
狭い日本の住環境に合わせた外寸のなかで最大限の容積を、子育て事情に合わせて数々の装備を切磋琢磨(せっさたくま)しながらひねり出してきた、そんなM寸ミニバンの、今年は当たり年だ。まずはトヨタがノア/ヴォクシーを、次いでホンダが「ステップワゴン」をフルモデルチェンジ。日産も「セレナ」のフルモデルチェンジがうわさされているから、もし実現すれば衆参W選挙も及ばないくらい、驚きの惑星直列となる。もっとも、最新の情報ではくだんの半導体不足やサプライチェーンの混乱等もあって、セレナはその時期を先送りするのではないかと推測されてもいるようだ。
こういった外的要因はノア/ヴォクシーの生産にも影響しているようで、現在の納期は6カ月以上となっている。ハンコは押せど、なかなか納期がみえないという話を耳にする方々もいらっしゃるかもしれない。内需の塊のような車種なのに、つくりたくてもつくれない、工場を遊ばせるしかないというのは、国内雇用を支えるメーカーとしては結構な痛手だと思う。
そんなわけで納期もままならないノア/ヴォクシー。販売から3カ月の少ない分母ではあるものの、一体どちらが人気なのかと台数を追ってみると、今のところは五分五分という情勢だ。ちなみに前型までのノア:ヴォク比は4:6〜3:7といった感じでヴォクシーのほうが人気を博していた。新型に関しては、目を合わせたくない不穏さのヴォクシーに比べれば、まだプレーンにみえるノアのほうが受け入れられるのではないかと個人的には思っている。が、正直この手のマーケットの嗜好(しこう)はなにがなんだかわからん……というのは、現行「アルファード」の一件でも痛感させられたことだ。...