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「全員がリーダー」アマゾンのように社員は行動できるか


Photo: Adobe Stock
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「全員がリーダー」という考え方

──『アマゾンの最強の働き方』では、「リーダーシップ・プリンシプル」として、アマゾン社員の14ヵ条の行動規範について詳しく書かれています。そもそもリーダーシップ・プリンシプルとは、どういうものでしょうか?

三浦岳(以下、三浦):これは「リーダーはこのような行動が期待されている」ということを明確に表したもので、アマゾンの公式サイトにも掲載されています。

というのも、多くの企業で「リーダー」と言うと、肩書きや役割を指すことが多いと思います。部長、課長、支店長など「○○長」と名のつく人たちです。「○○長」に判断を仰ぎ、その他の人はそれに従う。そんな場面もよく見かけます。

ですが、社員全員がリーダーという意識を持ち、それぞれが行動規範に照らして自主的に判断をすることができれば企業は強くなります。

──企業が行動規範をつくるという考え方は、アマゾン独特のものなのでしょうか?

どういう行動が期待されているかを書くことによって、初めてみんなそれを目指すことができます。明示し、共有するのです。目に見えるようにすることで、社員の目線を揃えられる。

「社員としてこういう行動が期待されている」ということを明文化して伝えるのはとても重要なことだと思います。

「ルール」や「規則」ではない

──ルールや規則というより、判断軸のようなものなんですね。

三浦さんは「プリンシプル」を日本語にしたほうが伝わりやすいというお考えでした。プリンシプルを日本語に訳そうとすると、「原則」などとしたくなります。でも、「則」の字を使うと、やはり「ルール」や「規則」を想起してしまう。なので、この言葉はやめましょうということになりました。

行動規範には正解は書いていません。大切な判断軸ではあるけれど、「これをしなさい」「これはダメ」というものではないのです。

無条件に従うのではなく、一人一人が自分の中に落とし込んで、自ら物事を判断し、行動していかなければなりません。

ルールに従うのではなく、主体的に考える

──自分で考えることが重要だということですね。

リーダーシップ・プリンシプルを例に取ると、

・迅速に行動する(Bias for Action)
・深堀りする(Dive Deep)

という項目があります。これは状況によってはどちらかを取れば、どちらかが取れないこともあるはずです。

そんなとき、場面場面の最終判断は、「リーダー」である個々の社員に委ねられます。ですからルールではないのです。

──「判断軸」ではあるけれど「正解」ではないからこそ、主体的に判断し、行動できる。まさにリーダーシップの話なんですね。

対照的に、傭兵とは「どこかに書いてあるルールや規則に従い、手っ取り早く仕事をする人」と表現できると思っています。

──ベゾスの言う「伝道者と傭兵」の話は私も聞いたことがあるのですが、そう説明されるととてもわかりやすいですね。

行動規範を徹底するための「仕組み」をつくる

三浦:『アマゾンの最強の働き方』では、アマゾンでは人を採用する際の基準にも、リーダーシップ・プリンシプルが組みこまれていると書かれていましたね。

応募者がリーダーシップ・プリンシンプルに沿った考え方や行動ができる人がどうかを、さまざまな角度から質問することで判断している。

そのほか、パフォーマンスの評価をするときや自らの行動を検討するときもこのプリンシプルが基準になっているようで、本書の全編に、「この行動は、このリーダーシップ・プルシンプルに沿っていた」とか「沿っていなかった」といった表現が出てきます。

──そこまで規範を徹底するにはどうすればよいのでしょうか?

素晴らしい理念やビジョンを定めている企業は日本にもたくさんあります。ですが「素晴らしい理念ですね」と社員の方に言っても、それを社員の方がよく知らないことがあります。それはもったいないと感じます。

企業理念は「どこかに書いてある」というだけでは不十分です。重要なのは、理念を発信し伝えること。社員がつねに理念や行動規範を基準にして考える仕組みをつくることで、企業とその事業が理想に近づいていくことができるはずです。

【大好評連載】
第1回 アマゾンの「パワポ禁止」は日本企業でも有効なのか

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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