禁断の果実
「シトロエンC5エアクロスSUV」にプラグインハイブリッドモデル(PHEV)が追加設定された。先に上陸しているプジョーやDS版と決定的にちがうのは、このクルマが“トラクシオン アヴァン=前輪駆動”であるということだ。果たしてその仕上がりは?
シトロエンは後回し?
プジョーやDSと比較すると(旧グループPSAでは)シトロエンだけ少し電動化が遅いように思えるかもしれない。プジョーとDSは昨2020年にそろって電気自動車(EV)を日本発売して、この2021年春には「3008」や「DS 7クロスバック(以下、DS 7)」のPHEVを次々と追加した。その時点で、日本仕様のシトロエンには電動化モデルが一台もなかった。
ただ、画期的な1人乗りマイクロ電気自動車の「アミ」がシトロエンから市場導入されるなど、本国でシトロエンの電動化が意図的に遅らされているわけではなく、タイミングの問題が大きい。たとえば「C3」や「C3エアクロスSUV」などのシトロエンのBセグメントにEVが用意されないのは、これらの骨格設計がEV化に対応した「CMP」プラットフォームではないからだ。C3の本国発売は2016年、C3エアクロスSUVのそれは2017年で、ともにひとつ前の「PF1」プラットフォーム最終期に開発された商品である。
今回の主題であるC5エアクロスSUV(以下、C5エアクロス)のPHEVにしても、DS 7や3008のそれより遅いわけではない……と思ったら、PHEVの本国デビューはDS 7が2018年、3008が2019年で、C5エアクロスは2020年だった(汗)。シトロエンが特別に遅らされているわけではないが、序列としては電動化推しの強いDSが最優先で、3008は先代で同社初のハイブリッドを用意した記念碑的モデルでもあり、結果的にC5エアクロスが最後発にされた感もある。まあ、こういう新技術モノは、最初は慎重を期して1台ずつ市場導入されていくものなので、タイミングに差が出てしまうのはいたしかたない。
というわけで、C5エアクロスPHEVだが、中身は先行したDS 7や3008のそれと基本的に同じといっていい。ただ、先に上陸した2台が後軸にもモーターを備える4WDでシステム出力300PSなのに対して、C5エアクロスは「プジョー508 GTハイブリッド」と同様に、後軸モーターを省略したFFで、システム出力も225PSとなっている。現時点では本国にも4WDの用意はない。...