これまでは、「売上最大化、利益最大化」が常識だった。
これからは、「売上最小化、利益最大化」が常識になるかもしれない。
「株価上昇率日本一(1164%)の超効率経営」
「従業員一人あたり利益がトヨタ、NTT、三菱UFJ、KDDI、三井住友FGより高い」
「新卒初任給は日本で2番目(2021年実績)の高さ」
という「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長、
初の著書『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』
が発売たちまち重版。日経新聞にも掲載された。
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」
という圧倒的な商品開発でヒットを連発。
「会社の弱点が一発でわかる“5段階利益管理表”」
「売上を半減させ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法」
「売上ゼロでも生き残れる“無収入寿命”」
「組織全体にコスト意識が生まれるたった一つの方法」
を記念すべき初の書籍で惜しみなく公開し、
「不況下では、売上10倍はリスク10倍」と断言する木下社長を直撃した。
売上と利益をセットで
管理する思考法
創業から20年の歳月が流れた。
北の達人コーポレーションは、売上約100億円、営業利益は約29億円(2020年2月期)となった。
多くの会社の利益率が3%程度なのに対し、当社は29%となっている。
従業員数が少ないから一人あたり利益率は高い。
東京証券取引所(東証)一部上場企業従業員の平均人数は約7300名。
一人あたり利益は約303万円(2019年12月〜2020年11月決算)。
当社の従業員は125名なので一人あたり利益は2332万円(2020年2月期)。
東証一部上場企業平均と比較して一人あたり約7.7倍の利益を上げていることになる。
多くの人は売上が100億円になったことに注目する。
しかし、私は利益29億円に意味があると思っている。
一般的に、売上は多ければ多いほどいいといわれる。だから多くの経営者は売上を最大化しようとする。
経営者は自分の会社を大きく見せたい。大きく見えるポイントは売上と従業員数だ。
売上を上げることは悪いことではない。
売上が上がり、利益も上がれば問題ない。
しかし、売上が上がれば、単純に利益も上がるわけではない。
利益をグロスで見ると、黒字でも、受注ごと、商品ごとでは赤字が含まれているケースがある。売上を追いかける会社は、一つの受注、一つの商品が赤字でも、別の受注で大きく黒字になれば、全体として採算が合うと考える。
しかし、そもそも赤字の受注がなければどうなるか。
赤字の商品を扱わなければどうなるか。
受注しないから売上は下がる。だが、利益は増える。
2000年頃、ほとんどのネット通販は売上が上がっても利益が出ていなかった。利益は後からついてくると考えられていたからだ。
ところが、ネットビジネスはスピードが速い。赤字を出しながら市場シェアを獲得し、後で資金回収するビジネスモデルが通用しない。
たとえば、広告投資をしてシェア拡大を狙ったとしよう。
広告を出せば一瞬だけ売上は上がるが、大きな経費のため赤字になる。
その後、広告をやめ、トップシェアの利を活かして投資分を回収しようとする。しかし、その段階で競合が参入し、一気に市場を取られる。投資分を回収できないまま倒産する。
そんな会社を何社も見てきた。
ネットビジネスではマメに利益を回収すべきだ。その考えは今でも変わらない。
変化の激しい今の時代、先行投資期に売上が上がっても、回収期には市場がガラッと変わり、利益が回収できないケースが多発している。だからこそ売上と利益をセットで管理する経営方式が必要だ。
私は創業時から、売上を商品ごとに個別に見て、どの商品の売上がどれだけ利益に結びつくかを考えていた。商品ごとに原価、売れるまでの手間、経費が異なるからだ。...