今、最も注目を集める急成長企業ワークマンは、「しない会社」だ。
◎社員のストレスになることはしない
◎ワークマンらしくないことはしない
◎価値を生まない無駄なことはしない
とりわけ「頑張ること」はしないどころか、禁止! それでも業績は、10期連続最高益を更新中だ。
なぜ、コロナ禍でも業績が伸び続けているのか。
なぜ、自分の頭で考える社員が急増しているのか。
なぜ、いま「しない経営」が最強なのか。
このたびワークマン急成長の仕掛け人である土屋哲雄専務が、Amazonに負けない戦略を初めて語った初の著書『ワークマン式「しない経営」』が大きな話題となっている。
今回、ワークマンの土屋哲雄専務と早稲田大学大学院・ビジネススクールの入山章栄教授が初めて本書で対談。両者は何を語ったのだろうか。
弱いつながりこそが、
革新を引き起こす
入山章栄(以下、入山) 社内と社外の壁が非常に低いのですね。
土屋哲雄(以下、土屋) 今後はテレビCMに出演してもらいます。我々が全面的に広告するより、アンバサダーが宣伝してくれたほうがいい。
将来的にはアンバサダーを社外取締役に迎えようとしています。
製品開発の際には意見を聞いていますし、おかしなものをつくろうとしたら「それはダメ」と言ってくれます。
入山 女性でアウトドアをやっている方が増えているから絶対いいと思います。多くの人が、自然と一緒に生活する素晴らしさに気づいてきている。
すると普段着で活用したいので、高級アウトドアブランドではなくワークマンを選びますよね。
土屋 アフターコロナは地方分散の時代になるでしょうから、飾らない、もっと自然に近い暮らしが主流になるかもしれません。
おそらく新たなアンバサダーとの関係も始まるでしょう。アンバサダーはそもそもオピニオンリーダーです。たとえば5万人フォロワーがいるということは、その業界の真ん中にいるということです。
入山 『世界標準の経営理論』の中に「弱いつながりこそが、革新を引き起こす」という「弱いつながりの強さ」理論があります。
これからの組織はネットワーク型といって、人と人とが弱いつながりで境界を越えていく。つながりの強いネットワークでは、いろいろな人から同じ情報を得ることになり、情報流通の無駄が多い。逆につながりが弱ければ、多様な情報を効率よく入手できます。弱いつながりをたくさん持っている人は、普通は手に入らない情報をたくさん入手できる。
イノベーションは既存の知と知の組合せで起こるため、弱いつながりをどれだけ多く持っているかがカギなのです。
土屋 現在、アンバサダーは30人くらいいますが、将来的には50人にしようと思っています。いろいろな分野のオピニオンリーダーと「弱く」つながっていくことで、会社は自然な形で変わっていけると確信しています。
【土屋より】
ps.「だから、この本。」に私の全5回インタビュー連載がありますが、特に下記の記事が好評だったのであわせてお読みいただけたら嬉しいです。
「だから、この本。」【第1回】“人生一発逆転の新・知的生産術” ワークマン式 朝2時30分起きの仕事術
(次回に続く)...