『働き方改革』が推進され、あらゆる職場で「生産性向上」「効率アップ」が求められるようになりました。会議を改善したり、メールを減らしビジネスチャットを活用したり、業務フローを見直すなど、さまざまな施策が取られています。そんななか、意外な盲点となっているのが「個人としてのパソコン作業」の効率化。ホワイトカラーにとって、もっとも身近で、もっとも時間を割いているはずなのに、そこの効率化に着手する人は驚くほど少ない。そんなパソコン作業の効率化に徹底してこだわり、発売後すぐに増刷が決定するなど話題となっているのが『脱マウス最速仕事術』という一冊。今回は著者の森新さんに、すべてのホワイトカラーが今こそ着手すべき「仕事効率化」の真髄について聞いてみました。(取材・構成/イイダテツヤ、撮影/疋田千里)
――前著では「Outlook」を効率的に使う方法を紹介し、今回は「脱マウス」という「マウスを使わないキーボード術」を取り上げています。そもそもなぜ「脱マウス」「キーボード術」に目をつけたのでしょうか?
森 前回の「Outlook」にしても、今回の「脱マウス」にしても、根本にあるのは「ホワイトカラーの可処分時間を増やしたい」という思いです。目的はそこにあって、脱マウスは手段ですよね。
そもそもホワイトカラーは、仕事中ずっとパソコンに向き合っています。ミーティングの時間以外、ほとんどパソコンに向き合っているのが普通ですよね。世の中にはいろんな時短術、生産性アップのノウハウがありますけど、シンプルに一番時間を使っているのがパソコン。具体的に何を触っているかと言えば、キーボードとマウスなんです。
だったら、そこを効率化しない手はない。そんなシンプルな発想です。キーボードは、だいたい一人一個は使っていて、一億個くらい流通しているビッグマーケット。そのキーボードを科学している人がいない方が、私にしてみたら不思議なくらいです。
――言われてみれば、たしかにその通りですね。ものすごくシンプルで、当たり前の発想ですが、どうしてこれまで「キーボードを科学する人」がなかなか現れなかったんでしょうか?
森 一番の理由は「使えちゃうから」だと思います。前著の『アウトルック最速仕事術』もそうですが、Outlookを使えない人っていないんです。Outlookを使っているのに「メールを送れません」という人はいないですよね。
キーボードも同じで「文字入力できません」「変換できません」「太字にできません」という人はまずいない。つまり「使えちゃう」んです。
これがExcelだったら、使い方をけっこう理解していないと、思うような計算式にならなかったり、イメージ通りの表の作成ができなかったりしますよね。でも、メールソフトやキーボードはそんなに詳しく知らなくても、一応目的は達成できてしまう。ここが便利である反面、「科学する人がいない理由」というか、非効率なままにみんなが使い続けてしまう理由だと思います。...