東大医学部卒の医者ママである森田麻里子医師は、自身の息子が毎日6時間寝ぐずりを続ける日々が続いたそうです。そこで睡眠に関する医学研究を徹底的に調査し、1本のメソッドにまとめて実践したところ、なんと息子が3日で即寝体質に!
そんな夢のような寝かしつけの方法を徹底的にわかりやすくまとめた新刊『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』には、夜泣きに悩むご家庭なら必ず知っておきたい知識が満載です。「寝かしつけが手厚すぎると逆に夜泣きが増える」といった意外な事実から、「保育園での多すぎるお昼寝、少なすぎるお昼寝への対処法」「最適な寝かしつけタイミングがわかる8つのサイン」といったすぐに使えるノウハウまで網羅。そんな本書の中から、一部を特別に無料で公開します。
危険なのは
「いつも仰向けなのにたまたまうつ伏せ」
乳幼児突然死症候群(SIDS。第4回参照)のリスクを下げるために、赤ちゃんは仰向けに寝かせるべきなのは知っている方も多いと思います。
しかし、寝返りを始めると、いくら仰向けに戻しても、お布団に下ろしたそばからすぐに寝返りしてうつ伏せになってしまうことがあります。しかたなく、赤ちゃんを仰向けにして押さえたまま寝かせるママ・パパもいるのですが、かなり大変です。それが寝つくときの習慣になってしまい、夜泣きにつながることもあります。
実はアメリカ小児科学会は、仰向けからうつ伏せの寝返り、そしてうつ伏せから仰向けの寝返り(寝返りがえり)が両方ともスムーズにできるようになった赤ちゃんが、自分で寝返りしてうつ伏せで寝ている場合、仰向けに戻さなくてもよいと述べています(*1)。
SIDSのリスクが特に高いのは、いつもは仰向けで寝ている低月齢の赤ちゃんが、たまたまうつ伏せになってしまったときです。
745人のSIDS症例を調査したヨーロッパの研究では、SIDS発症のピークは生後10週で、症例の82%が生後6ヵ月未満の赤ちゃんでした(*2)。
また、カリフォルニア州のSIDS症例185人と、その比較対象となった312人の健康な赤ちゃんを比べた研究では、寝ているときの姿勢を調べています。
健康なグループでは、いつもうつ伏せの赤ちゃんは13.9%、いつも仰向けなのに調査日にたまたまうつ伏せだった赤ちゃんは1.6%でした。一方でSIDS症例のグループでは、いつもうつ伏せの赤ちゃんは18.8%、たまたまうつ伏せになっていた赤ちゃんは9.7%でした。
SIDS症例のグループでは、いつも仰向けなのにたまたまうつ伏せだった赤ちゃんが多いことがわかります(*3)。仰向けのほうが安全であることに変わりはありませんが、自分で自由に姿勢を変えられるようになった赤ちゃんであれば、うつ伏せでも比較的リスクは低いといえるでしょう。
寝かしつけの際に赤ちゃんをお布団に寝かせるときは、どんな場合でも仰向けにしてください。1回戻してあげれば仰向けで寝られる赤ちゃんは、仰向けで寝る習慣をつけてあげたほうが安心です。
しかし、すぐ自分で寝返りをしてうつ伏せに戻る赤ちゃんは、仰向けを保つために押さえ続ける必要はありません。寝返り・寝返りがえりのどちらもスムーズにできるなら、うつ伏せで寝てしまった場合でも、仰向けに戻さなくてもよいでしょう。
ただし、安全な寝室環境が整っていることが前提です。特に、敷き布団がやわらかすぎないか、シーツにしわがよっていないか、枕やクッションを置いていないかは注意してください。
なお、寝返り防止用のクッションはおすすめしません。アメリカでは寝返り防止クッションによる窒息が原因で赤ちゃんが亡くなったケースが報告されています。アメリカ食品医薬品局(FDA)は現在、このようなクッションの使用を止めるよう呼びかけています(*4)。...