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流行りモノ調査隊 流行りモノ調査隊
#088 今週の急上昇キーワード(更新日:2009/04/07)
暗闇カフェ
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急上昇の理由
 最近では深夜営業をしている店舗も増え、また街灯や家庭からもれる明かりによって、完全な“暗闇”に遭遇することは少なくなった。そんな中、“暗闇”を売りにしたイベントなどが注目を集めているという。暗闇といえば怖いイメージがあるが、それが癒やしに繋がっているとのこと。しかし、それはいったいどんなものなのか?早速調査を開始した。
今回の調査内容
暗闇の中で探検!?「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」って!?
エコと癒やしの「暗闇カフェ」に潜入!!
お寺で「暗闇ごはん」!?
暗闇の中で探検!?「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」って!?
 暗闇を売りにしたプロジェクトとして、代表的なものが「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(以下DID)だ。誕生したのは1989年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケ氏のアイディアからだ。それから20年あまり、現在では世界25カ国120都市で開催され、600万人以上が体験しているという世界的にはとても有名なプロジェクトだ。読者の中には耳なじみのない方も多いかもしれないが、実は1999年から毎年開催されている。しかも毎回チケットがすぐに完売、なかなかチケットが手に入らないと話題を呼んでいた。今回は常設を目指し、長期開催を予定している。

  いったい何をするのかといえば、簡単にいうと“暗闇の中を探検する”ということらしい。しかし、それ以外の情報はあまりなく、真相はまさに“闇の中”だ。これは体験してみないとわからないということか。そこで早速、調査に向かうことにした!!

  今回のDIDが行なわれている会場は、外苑前駅から数分歩いたところにある。外苑西通りを千駄ヶ谷駅方面に向かってしばらく歩くと、バーのような看板が見えてくる。そこを地下に下りると会場だ。ロビーの壁には過去に世界各国で開催された際のDIDのポスターが張ってあり、ソファが何脚か置いてある。さながらカフェのようなつくりだ。照明は間接照明で部屋はやや暗め、リラックスして待てるような工夫がされている。そこで、自分の番になるまで待つのだが、筆者はひとりそわそわしていた。今までの人生で“本当の暗闇”を経験したことはなく、どんなものかわからないので、好奇心と不安が半々という感じだ。

  ドキドキしながら待つこと数分、遂に筆者の番がやってきた!!今回は6人のグループで暗闇へと出発する。入る前の準備として、入り口の前で白杖(はくじょう)(※)が渡される。暗闇の中ではこれが頼りだ。それを手にいよいよ完全な暗闇の世界へと出発!!……といきたいとこだが、これだけでははなはだ不安だ。しかし心配はご無用、そんな私たちには心強い味方が付いている。それは、いわば“暗闇のエキスパート”である視覚障がい者の方たちだ。彼らが私たちを先導してくれる。これは非常に心強い。
※視覚障がい者が歩行する際に使う白い杖。

これが入り口の看板 夜はこんなにオシャレに。まるでバーのよう
これが入り口の看板
夜はこんなにオシャレに。まるでバーのよう

カフェかギャラリーのようなロビー 暗闇の中ではこれが目の代わりだ
カフェかギャラリーのようなロビー
暗闇の中ではこれが目の代わりだ

  そしていよいよ中へ……。当たり前のことながら、本ッ当に真っ暗だ!!まさに「一寸先は闇」状態。白杖や手の感覚を頼りに、一緒に入った人たちと声を掛け合いながら、アテンドの方の声が導く方向へと進んでいく。具体的に言及することは避けるが、中は視覚以外の五感をすべて使うような工夫が凝らされている。

  不思議なもので、視覚が使えない環境にいると視覚以外の感覚が鋭敏になるようだ。特に筆者が変化を感じたのは“足の裏の感覚”だ。地面の材質の変化を感じる(意識する)ことは、普段の生活ではあまりなく、「今は土の上かな?」とか「もしかして今は丸太の上??」というような具合に、その変化をつぶさに感じることができた。これがはだしだったなら、もっと感じることができたかもしれない。

 正直なところ、入る前は“暗闇”に少し怖さや不安を感じていたが、実際入ってみると、予想に反してかなりリラックスできた。日常生活では視覚から得られる情報が膨大なので、それに頼りすぎることで五感のバランスが崩れ、疲れているのかもしれない。

  中で体験することは日常普通に経験していることばかりなのだが、まったく違ったもののように感じてしまうから不思議だ。普段はほとんど視覚のみでとらえているものを、触覚や嗅覚などでとらえると、そのものを新しくとらえ直すことができるようで、これは“ものを新発見する作業”といえるかもしれない。

  また、暗闇の中だと初対面の人ともスムーズにコミュニケーションを取る事ができるという利点を発見した。(声を出さないと何も伝わらないので、当たり前といえば当たり前なのだが……。)触わったものの感想を言い合ったり、障害物を知らせあったりするうちに自然に話すことができるようになるようだ。一緒に経験する仲間がいたことも、暗闇で不安を感じなかった要因のひとつかもしれない。

  経験してみて感じたのは「暗闇は怖くない」ということ。暗闇のイメージがポジティブなものになった。仕事ながら、非常に貴重な体験ができたと思う。

 パソコンやテレビなど視覚から得る情報に頼りすぎて、とかく五感のバランスを失いがちな現代人。そんなとき「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」なら、くるってしまった五感のバランスを取り戻すことができるかもしれない。

「ダイアログ・イン・ザ・ダークTOKYO」開催概要
会期:2009年3月20日(金)〜6月下旬 ※各火曜日は休館
延長開催の予定あり
ユニット:定員各8名 (所要時間約90分) 1日20ユニット
参加費:完全予約制、大人4,000円(税込)〜 ※日時によって変動
学生(中・高・大学生)割引あり、小学生半額

<問い合わせ>
E-mail:info@dialoginthedark.com
ダイアログ・イン・ザ・ダークTOKYO
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