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Prime Video、各国発の物語を世界へ ドイツにスター集結、国境を越える熱狂
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Prime Videoが9月7日と8日の2日間にわたって開催した「オブセスト・リトリート:クラス・オブ’26」。会場には、Prime Videoで注目を集めるYA作品のキャストをはじめ、20を超える国・地域から約70人のプレスやインフルエンサー、コンテンツクリエイターなどが参加した。
新作の上映やラインアップを発表するショーケースだけでなく、パジャマ鑑賞会やさまざまなフォトスポット、キャストとの交流、フィナーレを飾る舞踏会まで用意された“没入型”のイベントだ。上映やトーク、キャストとの交流を通して見えてきたのは、各国で生まれたYA作品を世界へ届け、次のヒットへ育てようとするPrime Videoの取り組みだった。
秋の夜長を退屈させない注目作が続々
初日の7日には、スペイン映画『エンフレンタードス:純白の令嬢』(配信中)を上映。スペインの有力実業家の娘マルフィルと、彼女を守るために雇われたボディガード、セバスチャンの危険な恋を描いた作品で、上映後には主演のエステル・エクスポシトとヒューゴ・ディエゴ・ガルシアが登壇した。
原作を映画化するうえで重視したのは、一言一句を再現することではなく、読者が小説から受け取った“感情”だったという。リリは、登場人物たちの切ない思いや、恋が成就したときのカタルシス、思わず足をバタバタさせたくなるようなときめきをスクリーンへ移すことが重要だったと明かした。
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リリ・ラインハート
マイク・フラナガンが手がける全8話のシリーズは、SNS時代のいじめや同調圧力を取り入れ、物語を現代的に再構築。約1500人が参加したオーディションで選ばれたサマー・H・ハウエルが、学校でのいじめと謎の超能力に直面するキャリーを演じる。上映後には会場から拍手が起こった。
スペイン発作品、視聴者の9割以上が国外
冒頭では、スペインの作家メルセデス・ロンの小説を映像化した「過ち」シリーズが、世界で累計1億人以上に視聴され、その90%以上をスペイン国外の視聴者が占めた実績が紹介された。
スペイン語で作られた恋愛映画が、その言語圏を越えて世界的なヒットシリーズへ成長したことは、今回のラインアップを象徴している。各国の物語を一つの形式に均一化するのではなく、それぞれの言語や文化を残したまま世界へ配信する。その広がりを支えるのが、字幕や吹き替え、SNS、そして原作を支えてきたファンだ。
原作ファンの期待にどう応えるか
ナンシー・サリッジ、コナー・サンチェス、ジェームズ・オドノヒュー、ソフィー・マクギボン(C)Amazon MGM Studios
フランス映画『ユー+ミー 〜世界が敵でも〜』(9月18日配信開始)のルーカス・バルスキは、長年原作を愛してきた読者がいることに触れ、「自分が大好きな小説の映像化を見るのは、簡単なことではない」と指摘。「僕たちにできるのは、登場人物と物語に敬意を払い、きちんと表現できていることを願うことだけです」と語った。
カルメン・カソヴィッツ
カソヴィッツも、読者がそれぞれ異なる人物像を思い描いていることへの緊張を明かし、「ロイスという人物に敬意を払い、自分にできる限りの表現をしなければと思った」と振り返った。
原作を忠実になぞるだけでなく、読者が愛してきた人物の核を守りながら、俳優の身体や声を通して新たな魅力を加える。出演者と原作者はいずれも、原作ファンが抱く登場人物のイメージを尊重しながら、映像化に臨んだことを強調していた。
恋愛だけにとどまらない各国のYA作品
リサ・マリー・コーラル
撮影では、車体の上からスタントドライバーが操作する特殊車両に乗り、雨の中を時速160キロで走行したという。男性中心のモータースポーツ界で奮闘するサラについて、コーラルは「若い女の子たちのロールモデルになり、“自分にも実現できる”と感じてもらえたら」と期待を寄せた。
(左から)イレーネ・バルメス、グレブ・アブロシモフ、パウ・シモン、パブロ・スカピリアティ
舞台は、権力者や富裕層の子どもたちが集う名門大学「タグス」。主人公のジュード・デリーは、兄の死の真相を突き止めるという目的を隠し、学内に君臨するキャッシュ家の3兄弟へ近づいていく。長男エイガンはカリスマ性と計算高さを備え、次男アドリックは謎めいた雰囲気をまとい、末弟アレイシャンドレは反抗的で予測不能。手がかりへ近づくほど、ジュード自身も予想していなかった秘密へ巻き込まれていく。復讐劇に恋愛とミステリーを重ねた物語となっている。
イベントには、ジュード役のイレーネ・バルメス、エイガン役のグレブ・アブロシモフ、アドリック役のパウ・シモン、アレイシャンドレ役のパブロ・スカピリアティが登壇。撮影の最初の2週間をスペイン北部のカンタブリアで一緒に過ごし、食事やパーティーを重ねた時間が、登場人物の関係性を築くうえで役立ったと振り返った。
恋愛はYA作品を動かす大きな要素だが、それだけではない。家族からの自立、階級や経済格差、将来への不安、女性のキャリア、友情、SNS時代の名声など、国や文化が違っても若者に共通する問題が描かれている。
ヒット作の続編に高まる期待
アリシア・ファルコ
ロンは、3人がそれぞれ演じるカミ、ティアゴ、テイラーを深く理解していたと振り返り、「まさにこの3人だと思った。それぞれが役に自分自身の何かを加えてくれたとき、魔法が生まれる」とキャスティングへの満足感を語った。
テイラー役のビダレスは、第1作の配信後に寄せられた反響について、「キャラクターがとても温かく受け入れられたことに驚いた。たくさんの愛をもらい、本当に感謝している」とコメント。激しい三角関係の中心に立つカミを演じたファルコは、「彼女に共感し、心の奥にある本当の思いを見つけることを意識した。弱さと強さは誰の中にもある」と役作りを振り返った。
ルカ・メルッチ
アナーニャ・パンデイ
『エンフレンタードス:純白の令嬢』に続く第2作『Ebano(原題)/Drawn Apart(英題)』の映像も初公開。エステルとヒューゴは、前作よりダークでアクション色の強い作品になったと説明した。ヒューゴは「『96時間』や『ジョン・ウィック』に、ラブストーリーを加えたような作品」とアピールした。
このほか、英国版「過ち」シリーズ3部作の完結編『私たちの過ち:ロンドン編』(2027年配信予定)からは、アシャ・バンクスとマット・ブルームの初画像も披露された。また、エル・ケネディのベストセラー小説シリーズを映像化する『オフキャンパス』からは、エラ・ブライトとベルモント・カメリのビデオメッセージが寄せられた。
ファンとの関係は「一方通行ではない」
ハリエット・ヘルビヒ=マッテン、ダミアン・ハルドゥング
ハリエットはシリーズとの別れを「本当に寂しい」と表現。ダミアンは最終撮影日に「その場に崩れ落ちた」と明かし、ハリエットと過ごした3シーズンを「人生で得た最も素晴らしい贈り物」と振り返った。
さらにダミアンは、作品とファンの関係は「一方通行ではない」と語った。俳優が届けた物語をファンが受け取り、感想や創作、SNS上での交流を通して新たな熱量を返す。その「エネルギーの循環」こそ、世界各地のYA作品を国境の外へ押し広げる力になっている。
スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ヒンディー語――。国や言語が違っても、登場人物に恋をし、その未来を案じ、次の物語を待つ気持ちは変わらない。バイエルン・アルプスで繰り広げられた2日間は、各国で生まれたYA作品が世界へ広がり、作品を通じてファン同士がつながっていることを実感させる場となった。今後、日本発の作品からも、こうした世界的なヒットが生まれることを期待したい。