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マンガアプリ「無料競争」に終止符? “推し”と恋愛できるAIチャットで売上6倍、変わるマンガ体験
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>【試し読み】売上6倍!話題作『義家族に執着されています』
無料・独占が軸、横並びのマンガアプリ市場
「待てば無料」による継続的な閲覧導線に強みを持つ「ピッコマ」、話数単位の読みやすさと広告連動で間口を広げる「めちゃコミック」、セールやクーポンによる購買体験を重視する「コミックシーモア」、そして安定した閲覧環境を支える「ブックライブ」。さらに、縦スクロール形式のウェブトゥーンやオリジナル作品の強化、「毎日¥0」など多様な無料施策で幅広いユーザー接点を持つ「LINEマンガ」。
オリジナル作品や「毎日¥0」に強みを持つLINEマンガ。
「現在の市場は、さまざまな類似サービスや自社IPを持つ競合が増え、『マンガが読める』だけでは差別化が難しくなっていると考えています」(LINEマンガ・佐藤花穂さん)
利用者を定着させるための新たな接点づくりが各社の課題となる中、同社が導入したのが「キャラチャット」だ。
「“読む”から“関係を育てる体験”へ」
ユーザーは「送信可能回数(メッセージ数)」の範囲内で、キャラクターとの会話を楽しめる。この回数はミッション達成などにより無料で得られるほか、アプリ内通貨での追加購入も可能となっている。
今年2月に提供を開始した第1弾では、人気作『義家族に執着されています』から冷徹ながら意外な素顔を見せる端正な大公・テルデオと、『作戦名は純情』から親しみやすさとミステリアスな魅力を併せ持つ男子高校生・百谷玲央が登場。4月21日に追加公開された第2弾では、『作戦名は純情』からクールながら恋愛初心者という一面を持つ橘蓮が加わった。
キャラチャット利用イメージ
「マンガの体験を、より能動的・双方向的なコミュニケーションへと広げたいと考えました。キャラクターは読者にとって強い感情的なつながりを持つ存在です。そのキャラクターと実際に会話できること自体が、新しい価値になるとみています。また、これまでは作品の更新タイミングが最大の接点でしたが、キャラチャットによって更新日以外にもキャラクターと触れ合う機会を創出することも狙いの一つです」(LINEマンガ・佐藤花穂さん)
更新日に作品を読む従来の利用に加え、日常的にアプリを開く動機を生み出す。キャラチャットは、利用の“きっかけ”そのものを広げる試みといえる。
“異なる世界線”が支える没入感 原作との距離感をどう設計するか
具体的には、キャラクターが原作の主人公と出会っていない状況を前提とする。ファンが大切にする物語の関係性に踏み込まないことで、原作への影響を抑えつつ、ユーザー自身が自然に会話へ入り込める余地を持たせた。
『義家族に執着されています』テルデオ・ラピレオン (C)seungu・Han Yoon seol/LINE Digital Frontier
『作戦名は純情』百谷玲央 (C)kkokkalee・Dledumb/LINE Digital Frontier
『作戦名は純情』橘蓮 (C)kkokkalee・Dledumb/LINE Digital Frontier
原作のストーリーを守りながら対話体験を成立させる。このバランス設計が、サービスの鍵となっている。
“会話するキャラ”は定着するか 公式プラットフォームの挑戦
先行する韓国の「NAVER WEBTOON」では、累計接続者数約600万人、メッセージ数2億件を超える実績があり、キャラクターへの愛着が原作の再読につながる動きも見られる。日本でも2月の登場以降、累計メッセージ数は500万件を突破。対象作品『義家族に執着されています』では読者数が3倍、売り上げが6倍に伸びるなど、今後のアプリ利用の広がりに期待が寄せられる一方、課題もあるという。
「日本では“原作らしさ”への期待が高く、会話品質の担保には特に注力しています」(LINEマンガ・松岡優花さん)
原作の世界観を損なわず会話に没頭できるようにするため、原作とは異なる世界線をあえて設定しているが、日本ではキャラクターの言動が原作らしくあることも求められる。そんななか、同社が強みとして挙げるのが、原作を連載する公式プラットフォームである点だ。「キャラチャット」はLINEマンガのオリジナル作品で展開される。
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『義家族に執着されています』 (C)seungu・Han Yoon seol/LINE Digital Frontier
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『作戦名は純情』 (C)kkokkalee・Dledumb/LINE Digital Frontier
同社は、今後、対応キャラクターや作品の拡充を進めながら、対話体験の広がりを図る考えだ。マンガを「読む」だけでなく、「関わる」体験へとつなげられるかが、サービス定着のポイントになるとみている。
“読む”という行為を軸に成長してきたマンガアプリにとって、ユーザーとの接点の再設計は避けて通れない課題だ。キャラクターと関係を築くという新たな体験がどこまで浸透するのか。成熟した市場における次の一手として、その動向が注目される。