メンソレータムの「リトルナース」って知ってる? 懐かしリップスティックにも登場、昭和・平成・令和の世相も見える75年の歴史【ロート製薬】

メンソレータムのシンボルマーク「リトルナース」
紅白歌合戦と同い年、75年間も使われているメンソレータムの“女の子”のマーク
正式に採用される前には向きが“逆”だったバージョンも
40周年記念(2015年)、カラーになった限定ゴールド缶
そもそも、メンソレータムの元祖“軟膏”が誕生したのはアメリカで、1894年のこと。その後、1920年に日本への輸出がスタートし、1975年からはロート製薬が様々な商品の製造・販売を行ってきた。「リトルナース」はアメリカ時代から販促物に使用されていたが、1951年からは日本人デザイナーにより今の形にアレンジされたという。ロート製薬の広報・CSV推進部の林田季和さんはいう。
「メンソレータムは今、世界約150ヵ国で広く展開されているブランドになっています。リトルナースも、一目でメンソレータムの商品だとわかる存在として、世界中で親しんでいただけているのかなと感じています」(林田さん/以下同)
なぜ、女の子のマークがシンボルになったのか。ロート製薬の公式HPには、「リトルナースは、おせっかいです」という文句が目を引く。
「普段の生活で、痛い、かゆいといったちょっとした肌の悩みは後回しになってしまいがち。そんなトラブルに本人より先に気づき、治してあげたい、守ってあげたい、和らげてあげたいという思いが商品開発のきっかけでした。その象徴として誕生したのがリトルナース。多くの商品がありますが、すべてが小さなおせっかいから生まれています」
1990年代、小規模薬局からドラッグストアへの転換で拡大
現在はリップスティックのほか、外皮薬を軸に「家庭の常備薬的、お守り的な位置づけ」として、症状や部位にあわせて170以上もの商品を販売している。ここまで商品が増えたのは、1990年代のこと。個人経営の小規模薬局・薬店からドラッグストアへと、薬販売の形態が劇的に変わったことがきっかけだった。
対面販売から、“自分で医薬品を選ぶ”という新しい習慣が形成された時代。何を選んだらいいか迷ったとき、馴染みのあるブランドに手を出したくなるのは当たり前だ。林田さんが「お客様の困りごとに寄り添うというコンセプトが、ちょうど時代にマッチしたのだと思う」と語るとおり、リトルナースが信頼と安心の目印となり、需要を伸ばしていったのだ。
リップスティックで世相がわかる? 昭和の女子中高生のお供『キャンパスリップ』
1975年の発売から今も人気の『メンソレータム薬用リップスティック』
「1970年代、リップスティックは色付きの口紅のイメージが強かったようですが、メンソレータムリップの登場で“薬に近い存在”と捉えられるように。さらに『キャンパスリップ』などの展開により、より気軽に・毎日使うものへと捉え方が広がり、老若男女問わず幅広い世代に日常的なリップケアの習慣が浸透していったと考えております」
ケアはもちろん、「毎日使うもの」だからこそ、いつしかファッション性も身にまとったようになったリップスティック。その歴史を振り返ると、年代ごとに世相や流行までもが見えてくる。
昭和の女子中高生のお供『キャンパスリップほそみ』
さらに1983年には胸ポケットに入る細身のサイズに進化し、『キャンパスリップほそみ』として登場。スリムでおしゃれなリップスティックとして女子中高生の間で爆発的な人気となり、国内で年間400万本、海外で600万本の大ヒットとなった。
1987年には、「口紅は唇が荒れるので、先にリップを塗ってから使う」という意見を元に、「口紅の下地に使う」日本初のジェリー状リップの『リップオンリップ』が発売に。
平成のスマホ普及で自撮り映え、令和はコロナ禍やSNS需要の影響も
塗るシーンもカワイイ!『ChuLip(チューリップ)』
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『メルティクリームリップ』
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『リペアワン』
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『リップフォンデュ』(クリア)
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『リップフォンデュ』(ロゼピンク)
当初のリップスティックから51年。リトルナースのおせっかいは、肌悩みだけでなく、その時々のトレンドにも寄り添い、共に時代を作ってきたといえる。青春時代を思い出す…という人も多いだろう。
店頭にズラリと並ぶリップスティック、競合他社との差別化は?
「医薬品リップであるというのが、当社の強みの一つ。荒れや乾燥を防ぐ、唇の基本ケアを大事にし続けているブランドとして、自信を持っております。そのうえで、『リップフォンデュ』の艶やボリューム感のような、時代のニーズに合わせて“なりたい自分に寄り添う”ことも大切。ケアと楽しさの両軸で開発に当たっています」
学校では無色、プライベートでは色付き、荒れが気になるときは集中ケアといったように、今はシーンや目的、唇の状態に合わせて何本も持っている人も多いとか。
「リップスティックに限らず、メンソレータムシリーズ全般に言えることですが、時代に合わせて、お客様に対してどういった“おせっかい”ができるかを一番大事にしています。お客様の不調に気づいて、手助けできる信頼できるブランドとして、今後もお客様の視点で肌の悩みに寄り添い、しっかり成長し続けていきたいと考えています」
辞書には“おせっかい”の意味は「いらぬ世話をやくこと」とある。かわいいリトルナースのおせっかいなら、ありがたく受けたいもの。後回しにしがちな肌や唇の悩みに寄り添ってくれるリトルナースのおせっかいは、まだまだ続く。
(文:河上いつ子)