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『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は「映画」を超えたのか!? ――39人の観客が語る「ここが映画館だと忘れた」究極の没入体験

 2025年、映画界の巨匠ジェームズ・キャメロンが再び世界を震わせる。「アバター」シリーズ最新作であり、シリーズ第一章の完結となる『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(12月19日、日米同時公開)のジャパンプレミア(日本初上映)が12月10日、東京・TOHOシネマズ新宿で開催された。終演後の劇場ロビーには、興奮冷めやらぬ観客たちの熱気が渦巻いていた。「映画館であることを忘れた」「スマホを捨てよ、パンドラへ出よう」――そんな言葉まで飛び出した、先行鑑賞した18歳から30代までの39名のリアルな声から、本作がもたらした衝撃の正体を紐解く。

この記事のポイント

【究極の没入感】「3D」への先入観を覆す圧倒的な奥行き。「映画館で観る意味」を知り、「映画館にいることを忘れる」驚異のパンドラ(物語の舞台となる神秘の星)体験とは。

【魂を揺さぶる演技】70代のシガーニー・ウィーバーが魅せた“10代のあどけなさ”。最新技術と俳優の執念が融合した、一人ひとりに魂が宿る人物描写。

【期待を裏切らない理由】前作未鑑賞でも心をつかむ、シリーズ最高峰のエンタメ性。キャラクターの葛藤が“自分ごと”として胸に迫る。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』先行鑑賞者の満足度

 アンケートフォームへの回答者23名、および劇場でインタビューに答えてくれた16名の計39名の「生の声」を分析

総合満足度:98.5%
 「とても満足」および「満足」が約9割。 「普通」と答えた人でも、映像に関しては「期待以上」と回答。不満を表明した回答者はゼロだった。

映像のクオリティについて
 「期待以上」が80%を突破。特に「アバターだから映像が綺麗なのは当たり前」と思っていた層が、さらにそのハードルを超えられたことに衝撃を受けている。

鑑賞時間(約3時間)の体感
 「一瞬だった」「あっという間」という回答が多数。長尺をデメリットとして挙げた回答者は皆無だった。

「観る」のではなく、「いる」感覚 「そこへいく」3D体験――驚きから没入へ

(C)ORICON NewS inc.

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 多くの観客が口を揃えたのは、3D技術のさらなる進化だ。“飛び出す3D”という概念が完全に上書きされた。これまで「3Dは酔うから苦手」と敬遠していた20代男性は、驚きを隠せない様子でこう語った。

 「遊園地のアトラクションみたいな『飛び出る3D』は酔うんですけど、今回は全然気にならなかった。むしろ映像に奥行きを感じることで、自分も世界に入り込んでいる没入感がすごくて。ゲームやこれまでのCGとは比べ物にならない。これを超えられるものは、もう他にないんじゃないかな」

 また、別の20代男性は「正直、ずっと口を開けて観ていた。ここが映画館だということを忘れる瞬間があった」と、現実とパンドラの境界線が曖昧になり、その世界へいくほどの、圧倒的な視覚体験を吐露した。

 さらに、別の20代男性は「3Dは『飛び出す』のではなく、世界に『奥行き』を持たせるものだと実感した。目の前にあのアバターの世界が『ある』と確信させられた」

 20代女性は「パンドラでロケ撮影を行ったんじゃないかと思わされるリアリティ。映像美が爆発していて、1、2作目を配信で済ませていたことを後悔するレベル。劇場でしか味わえないパワーがあった」と話した。

 2009年の『アバター』(1作目)は、革新的な3D技術と圧倒的な没入感で“3D映画ブーム”を巻き起こし、映画館のデジタル化と3D対応を加速させた。当時、3歳だった10代男性は1作目と2作目『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)は動画配信サービスで鑑賞し、今回初めてIMAXで3Dを体験。「今までモニター越しでしか見ることのできなかった世界が本当に目の前にあるように思えた」と世界に入り込んだ感覚を興奮気味に語っていた。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 ジェームズ・キャメロン監督は本シリーズでデジタル3D映像の新たな地平を開き、全世界の映画館の上映環境とテクノロジーの更新を先導してきたが、最新作では3D映像のクオリティがさらにグレードアップしている。2Dで撮影した映像を後から3D化するのではなく、キャメロン監督がこだわり抜いて制作した3Dカメラを1カットごとに完璧に調整して撮影。映像の鮮明さ、質感、没入感は圧倒的、唯一無二のクオリティだ。スクリーンに広がる広大な世界に奥行と立体感を与え、まるで自分が映画の世界にいるかのように、登場人物が目の前に実在すると感じられる、現代最高峰にして最先端の没入体験が約束されている。

怒りと炎に包まれたアッシュ族が登場

 地球の資源の枯渇により、滅亡の危機に瀕していた人類は、遠く離れた星・パンドラへの侵略を開始。アバターとして潜入した元海兵隊員のジェイクだったが、先住民族ナヴィの女性ネイティリと家族を築き、パンドラの自然を破壊しながら貴重な資源を手に入れようとする人類と対立することに。

 そして、『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』では、故郷のすべてが火に包まれ灰と化した経験を持つアッシュ族のリーダー ヴァランが襲来。彼女はパンドラへ強い憎しみを抱いており、人類と手を組み、復讐を果たそうとしていた…。ジェイクとその家族は、これまでで最も熾烈な戦いに身を投じることになり、戦いの舞台は、神秘の森や美しい海、そしてさらなる拡がりをみせていく。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 前作で描かれた“水”の世界を土台にしつつ、“火”という要素がもたらす現実感は、より過酷で生々しい。20代男性は「まさに“ファイヤー”で、この映画でしか味わえないようなパワーがある」。別の20代男性も「映像がすごく良かった中でも、火が一番印象的でした」と語った。

 そのほか、「火の粉の熱さや灰の重みまで感じた」「映像を見ているというより、自然の脅威に晒されている感覚だった」といった声が示すように、火は単なる演出ではなく、物語とテーマを身体感覚として体験させる装置として機能している。前作から続く家族の物語は、この“火”という過酷な舞台で衝突し、すれ違い、捨てたはずの感情までよみがえり、観客の感情を強く揺さぶる。

 10代の観客からは「誰もが楽しめるエンタメ大作」という声も聞かれ、世代を超えて届く普遍性も明らかになった。

キャラクターの深掘りと「魂」の演技

 映像技術の進化と並んで、今作で特に高く評価されたのがキャラクターの描写だ。観客の多くが口にしたのは、「一人ひとりに魂が吹き込まれていた」という実感である。

 とりわけ注目を集めたのは、シガーニー・ウィーバーが演じる少女・キリの存在だ。キリは、ジェイクとネイティリの養女として育てられた少女で、パンドラの調和を保つ神のような存在“エイワ”との深い結びつきを感じさせるキーキャラクターだ。

 『ウェイ・オブ・ウォーター』と本作は同時期に撮影され、その期間は約18ヶ月。当時72歳だったシガーニー・ウィーバーが10代の少女を演じ切っていることに、観客からは、驚嘆と敬意の入り混じった声が相次いだ。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 役者経験があるという20代男性は「終盤の顔のクローズアップで、喜びと悲しみが混ざった表情を一瞬で見せる。本来は10代にしか出せないあどけなさを、70代でやってのける。プロの仕事の重さを突きつけられた」と語った。

 キャメロン監督が「『アバター』シリーズはコンピュータで作る映画ではない」と語る理由も、こうした演技の積み重ねにある。俳優たちは全身の動きと表情を余すことなく記録するパフォーマンスキャプチャーによって演技を行い、その感情の揺らぎがキャラクターへと正確に移し替えられる。観客が“生きているナヴィ”を感じ取れるのは、この執念の賜物だ。

(C)ORICON NewS inc.

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究極の没入体験後に押し寄せる、「アバター」のメッセージ

 映像や物語の迫力だけでなく、本作が投げかけるメッセージに心を動かされたという声も多い。

 20代男性は「どれだけ敵対しようとも、全ての生命は自然の前には無力で平等なのだと思います。だからこそ、生命体の営みが生まれるとは思うのですが、それを現代に生きる人々が思い出せるきっかけになりうる演出だったと感じました」

 別の20代男性は「前作を超える圧倒力映像美に加え、本作はより一層キャラクターを深く描いているように感じた。特に、ジェイクの父親としての葛藤や、子どもたちが自己を見つめ直すシーンなど、心に響く場面が多かった。本作は前作までのように話の舞台を広げるのではなく、キャラクターの内面を掘り下げていくことによって、より密度の濃い作品になっていたのではないかと思った」

 30代女性は「問われているのは“失敗したかどうか”ではなく、“どう変わるか”。自然にも人にもやさしくありたいと思わされた」と語り、20代男性は「テーマは現代社会に直結している。パンドラと私たちの世界の境界線が曖昧になる感覚があった」とコメント。20代女性は「家族、友人、恋人、敵。少しのすれ違いでどの立場にもなり得る。そんな葛藤に寄り添ってくれる作品だった」と話した。

 立体映像の研究をしている20代男性からは、「今回は技術的側面を分析し、吸収しようという意識で臨んだ」が、気づけば一人の観客として、アバターの映像美と世界観に完全に引き込まれていたという。その体験を通して、「この難しい世界の中でも、諦めずに信じることを続け、もがきながら進んでいきたいと思わされた」と語り、本作を人生訓として受け止めていた。

(C)ORICON NewS inc.

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映画館でこそ成立する映画体験を

 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は、単なる続編でも、単なる映像技術のデモンストレーションでもない。圧倒的な3Dによる奥行きと、俳優たちの“魂の演技”が結びついたとき、観客は「映画を観ている」という意識そのものを手放す。

 シリーズ3作目ということもあり、過去作を配信で鑑賞してきた層も少なくなかった。しかし彼らが口を揃えたのは、「今回は絶対に劇場で観るべき」という確信だった。

 「1.2をしっかり見てから、映画館で見ると没入体験がより良くなります」という人がいる一方、「アバターシリーズを見たことのない人でも楽しめます」(10代男性)という声も。10代女性も「悪役が完璧に悪をこなしていて、主人公たちの魅力が際立っていたなと思いました。この映画自体でも楽しめる作品だなと思いました」

 IMAXや3Dでの映画鑑賞を初めて体験したという20代女性は「キャラクターたちと一緒にパンドラを走り回っているような感覚になった。エンドロールで現実に引き戻されるのが悲しかった」と振り返る。

 「期待以上の作品だった。3D映像は物語の世界への没入感を強くしてくれていたと思うし、アクションやストーリーも前作からパワーアップしていて3時間全く飽きがこない作品だった」(10代女性)といったコメントのように、「3時間があっという間」という声が多く集まった。3時間17分の上映時間は、パンドラという惑星を旅するには、むしろ短すぎるのかもしれない。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 これから本作を観る人へのメッセージとして、次のようなコメントが寄せられた。

 「正直、今作が一番面白い。配信を待つ選択肢はない」
 「今体験できる中で最も迫力のある作品です」
 「流行っているから、という理由でもいい。とりあえず観に行ってほしい。期待は裏切られない」
 「これを観て、映画もエンタメもまだ死んでないという自信を一人一人が得られると思います。今絶対に観るべき作品」
 「映像は脅威のクオリティで、どれだけ期待して想像しても確実にそれを超えてきます」
 「単に映画を『見た』という経験を超えて、目の前に、あのアバターの世界が『ある』と確信させられました!絶対に映画館に足を運んで観るべき作品です!」
 「本作はパンドラという遠い惑星が舞台の話ですが、扱っているテーマは本当に身近なもので、誰しもが共感できる点があると思います」
 「ここには、それぞれが自分だけの信じるものを見つけられる力があります」

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 また、20代女性は「音楽も役者の演技も、すべてが最高峰だと感じました。ジェームズ・キャメロン監督の頭の中にあるイメージが、ここまで完璧に具現化されていることに驚き、まるで創造的な思考の内側を覗かせてもらっているようで感動しました。処理しきれないほどの未知の世界に触れられたことも含め、この作品に出会い、さらに恵まれた設備で体験できたこと自体が幸せでした」とコメントを寄せた。

 そして、ある20代男性からは「スマホを捨てよ、パンドラへ出よう」という名言も。配信全盛の時代だからこそ、映画館でしか触れられない体験が、ここには確かに存在している。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

INFORMATION

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

 舞台は、神秘の星パンドラ──地球滅亡の危機に瀕した人類はこの星への侵略を開始。アバターとして潜入した元海兵隊員のジェイクは、パンドラの先住民ナヴィの女性ネイティリと家族を築き、人類と戦う決意をする。しかし、同じナヴィでありながらパンドラを憎むアッシュ族のヴァランは、人類と手を組み復讐を果たそうとしていた。パンドラの知られざる真実が明らかになる時、かつてない衝撃の“炎の決戦”が始まる!

監督・製作・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワ―シントン/ゾーイ・サルダナ/シガーニー・ウィーバー/ウーナ・チャップリンほか
(C)2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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